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4年で10人の監督…ビジョンの見えないバレンシアにもはや名門の面影はない

SOCCER DIGEST Web 9月23日(金)16時0分配信

次から次へと変わるメスタージャのベンチに座る指揮官。

 例えば、2シーズン前のバレンシアの監督を覚えている人は一体どれだけいるだろう? スペイン人ですら、正確に覚えている人は限られるはずだ。
 
 かつての名門バレンシアは、ここ数年で監督をコロコロ変える落ち着きのないクラブに成り下がってしまった。監督としてしっかりとクラブのベンチにその名を刻んだのは、現在パリSGを率いるウナイ・エメリくらいだ。
 
 そのエメリがバレンシアを指揮していたのは、2008年から2012年まで。その後、本拠地メスタージャのベンチに座る監督の顔ぶれはどんどんと変わっていった
 
 まずは、2012年にマウリシオ・ペジェグリーニがやってきたが、わずか14節で解任され、エルネスト・バルベルデが後を引き継ぐ。しかし、そのバルベルデはシーズンオフに契約を更新せず、アスレティック・ビルバオへと去っていった。
 
 その後はミロスラブ・ジュキッチ、ニコ・エステベス、アントニオ・ピッツィと、混乱をもたらした印象しか残っていない監督たちが続いた。
 
 やがて、2014年にクラブを買収した新オーナーのピーター・リムが連れてきたポルトガル人指揮官、ヌーノ・エスピリト・サントの時代が来る。
 
 オーナーのサポートと、チャンピオンズ・リーグ出場権獲得などの功績もあり1シーズンを乗り切ったが、そんな彼でも翌シーズン途中には解任されてしまった。
 
 期待されたポルトガル人指揮官の解任直後は、2008年にロナルド・クーマンの後を暫定監督として率いた経験を持つボロが就き、2015年12月2日に淡い期待とともに英国からやってきたのはガリー・ネビルだ。しかし、元イングランド代表DFも散々な結果に終わり、パコ・アジェスタランに代わったのは2016年の3月30日のことだった。
 

4年で10人目となる新指揮官は誰になるのか?

 そして今月、バレンシアの監督は再び変わった。
 
 昨シーズンから今シーズンにかけてバレンシアで12試合を指揮したアジェスタランは、わずか3勝(3勝1分け8敗)。今シーズンの開幕4連敗という成績不振を理由に、クラブは彼を解雇したのだ。
 
 エメリの下でフィジカルコーチを務め、キケ・フローレスやラファエル・ベニテスとも仕事をするなど、バレンシア色の強いアジェスタランも、やはり長続きしなかった。本人は「もっと時間をかけてこのプロジェクトを進めたかった。当然、解任には納得していない」と9月という早い段階での解任を悔やんだ。
 
 現在は新監督を探している最中で、マルコ・シルバ(元オリンピアコス監督)やマルセリーノ・ガルシア(元ビジャレアル監督)、アンドレ・ヴィラス=ボアス(元ゼニト監督)やOBのルーベン・バラハ(元エルチェ監督)らの名前が挙がっている。
 
 誰が来ようとも、次の監督は4年間で10人目の指揮官だ。「リムはサッカーをわかっているのか?」そんな疑問の声も地元では多い。すでにヌーノ、G・ネビル、アジェスタランを解任し、長続きしない体制でチームが落ち着かないのは当然だ。
 
 昨夏にマンチェスター・シティへ移籍したニコラス・オタメンディ、今夏にバルセロナへ移ったアンドレ・ゴメス、パコ・アルカセルなど、チームの中心選手はいまやビッグクラブ移籍を目指す。もはやかつて、スペインと欧州で躍動したバレンシアの面影はない。
 
 再びクラブの格を取り戻すには、上層部や監督人事含め、見直さなければならない点があまりに多い。
 

最終更新:9月23日(金)17時7分

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