ここから本文です

北朝鮮は制御不能、米中のどちらが罪深いのか?

JBpress 9月23日(金)6時15分配信

 中国・杭州でG20首脳会議が開催されているさなかの9月5日、北朝鮮は「ノドン」と見られる中距離弾道ミサイル3発を日本海に向けて発射し、日本の排他的経済水域に着弾させた。

 そして4日後、建国68周年にあたる9月9日に北朝鮮は5回目となる核実験を実施した。

■ 米中が互いの“無策”を批判

 この北朝鮮による核実験が、米中の「責任のなすりつけ合い」という不毛なやり取りをひきおこした。

 9月10日、ノルウェーのオスロを訪問中のアシュトン・カーター米国防長官は記者会見で、「中国について特に指摘したい。これは中国の責任だ」と述べた。

 「ウォール・ストリート・ジャーナル」(日本語版)は、カーター氏が「中国はこうした展開への重要な責任の一端を担っており、状況を転換させる重要な責任を負う。中国は地理的条件や歴史の裏打ちと影響力を、これまでのような方向ではなく、朝鮮半島の非核化を進めるために利用することが重要だ」と述べたと伝えている。いわゆる「中国責任論」である。

 この発言に対する中国の反応は素早かった。中国外交部の華春瑩報道官は9月12日、北朝鮮の核問題を制裁だけで解決することは不可能だと述べ、一方的な措置では行き詰まりを迎えるだけとの見方を示した。

 同報道官は同じ日に北京で行った定例会見で、北朝鮮問題における最大の課題は中国ではなく米国の側にあると述べ、中国としては朝鮮半島における平和と安定を維持するため多大な努力を払っていると言明した(「ロイター通信」日本語版)。

■ 経済制裁に効果はない? 

 これまで国際社会は、国連安保理決議に従って、北朝鮮の核・ミサイル開発にストップをかけるべく経済制裁を課してきた。それをあざ笑うかのような北朝鮮の所業は、経済制裁が北朝鮮に対して有効な圧力になっていないことを露呈したことになる。

 そうだとすれば、現在進行形で議論されている国連決議に依拠した制裁も、また、日本や米国が独自の判断で課す制裁も、その効果はあったとしても限定的だろう。

 すでに北朝鮮が核弾頭の小型化の技術を手に入れ、ミサイルの弾頭に装填可能なレベルに達しているという可能性もある。だとすれば、事態はすでに経済制裁の有効性を議論することが虚しい状況に立ち至っていることになる。

 もし現状がもはや手遅れであり、北朝鮮の核ミサイルの脅威に対して、米国や日本が連携して進めている弾道ミサイル防衛で対処するのが、唯一現実的な対応であるとするなら、なんでこうなってしまったのかについて総括しておく必要があるだろう。

■ 何としても北朝鮮の崩壊を食い止めたい中国

 北朝鮮の核開発を阻止し、「朝鮮半島の非核化」を実現させることは、米中両国の共有する利益であったはずだ。しかし両国とも、実効性のある手は打ってこなかった。

1/3ページ

最終更新:9月23日(金)6時15分

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。 [new]