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「結局、社会なんて変わらない」という私たちの思い込みをまず壊そう 目の前の人を救い、構造も変える

現代ビジネス 9月23日(金)11時1分配信

 「社会を変える」――。そんな言葉を聞いたとき、あなたは何を思うだろうか。意識が高いと揶揄することもあれば、リベラルな主義主張を連想し、そっと距離を置くこともあるかもしれない。

 しかし、先の参議院選挙では国の根幹をなす憲法の改正やアベノミクスの是非を問われ、一方では「保育園落ちた日本死ね!! !」というブログが話題になって国会で取り上げられるなど、私たち一人ひとりの生活に関わる、過去に例を見ない社会問題の数々が急速に持ち上がってきているのは確かだ。

 私たちはいま、「社会を変える」岐路に立たされている。そして、それはもはや他人ごとで済まされるものではなくなっている――そう考えるのが自然なほどに、社会が変化してきているのではないだろうか。

 今回、ブロガー議員として舛添元都知事を追及した都議会議員のおときた駿さんと、長年待機児童問題に取り組むNPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんが登壇した7月20日のイベント「結局、社会って変えられるんですか」から、一人ひとりが「社会を変える」ためには何が必要なのか、追求していく。

 おときたさんは『ギャル男でもわかる政治の話』を、駒崎さんは『社会をちょっと変えてみた――ふつうの人が政治を動かした七つの物語』をそれぞれ近作として発表しており、書籍中でも身近な社会変革を提唱する二人の話からは、私たち一人ひとりの行動によっていかに社会を変えうるか、多くのヒントが見えてくる。

文・構成/朽木誠一郎(有限会社ノオト)

目の前の問題だけではなく、構造にも対峙する必要性

 望月:それでは、さっそく始めたいと思います。僕は司会の望月優大です。スマートニュースというニュースアプリの会社でNPO支援をしていて、そのご縁で司会を担当することになりました。

 今回は「結局社会って変えられるんですか? がテーマです。登壇者は政治家のおときた駿さんとNPO代表者の駒崎弘樹さん、まずはお二人にとって「社会を変える」というのはどういうことなのか、おときたさんから説明していただけますか? 
 おときた:僕は政治家なので、「社会を変える」というのは制度や条例を作ること、わかりやすく言えばルールを変えることですね。

 とはいえもちろん、このような正面からのアプローチだけじゃなくて、世論を巻き込んだり現場の後押しを受けたりしながら「流れを変えていく」ことも、政治家の使命ではないかと思います。

 望月:駒崎さんはどうでしょう。たぶん、おときたさんとはちょっと違う視点なのかな、と。

 駒崎:そうですね。僕の場合は、基本的には目の前に困っている人がいて、その人たちに何ができるかを考えます。そのためにNPOを起業して、サービスを立ち上げて、その人たちを実際に助けていく仕事です。ただし、目の前の困っている人を助けるだけではダメで……。

 望月:なぜでしょうか? 
 駒崎:「溺れる赤ん坊のメタファー」という寓話があります。

 まず、旅人が歩いていると川に突き当たります。するとそこには溺れている赤ん坊がいる。旅人はビックリして、服を脱いで飛び込んで、その赤ん坊を助ける。で、岸に連れていって、ひと安心してふと川を見ると、また赤ん坊が溺れている。旅人は「これは大変だ」と言って、また助けに飛び込む。

 旅人はそれを繰り返すのですが、その旅人には上流で赤ん坊を川に投げ捨て続けている男の姿が見えていないんですね。

 これが何を表しているのか。

 まず、目の前で困っている人を助けるというのは非常に大事です。しかし一方で、その困っている人を生み出す構造が存在している。それに気づかないままだと、本当に問題を解決したことにはならない、ということですね。

 構造というのは、例えば社会保障の法律だったり、あるいは不十分な財源であったりする。困っている人をなくしたいんだったら、その構造も変えていかなきゃいけないんですよね。

 おときた:目の前の赤ん坊を助けながらも、上流で赤ん坊を投げ捨てている男を何とかしなきゃいけない。

 駒崎:この両方ができないと、「世の中を変える」というのはなかなか難しいでしょうね。僕が事業をやりながら草の根的にロビイングもやっているのは、上流で赤ん坊を投げ捨てている男を何とかするためです。事業は溺れる赤ん坊のため、そしてロビイングは上流の男を止めるためですね。

 望月:最近はどちらの比率が大きいですか? 
 駒崎:上流が増えています。当初は事業家としてスタートしましたが、途中からやっぱり構造を変えなきゃと思うようになって。

 望月:なるほど。こうして整理してみると、おときたさんはルールを変える立場から問題解決に向き合い、駒崎さんは現場で直接問題解決に取り組みつつ、構造そのものにも働きかけているという印象です。このあたりは、やはり人によってアプローチが違いそうですね。

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最終更新:9月23日(金)11時1分

現代ビジネス

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