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総裁任期延長がキナ臭い…ポスト安倍を巡る、“石破&進次郎”の「奇妙な同調」とは

週プレNEWS 9/23(金) 6:00配信

自民党総裁の任期延長を巡り、党内がにわかにザワつき始めている。現状の最長2期6年から3期9年への延長をもくろむ安倍首相に対し、党内からは「待った」の声も。ポスト安倍を巡るバトルのカギは、この4人が握っている。

■総裁任期延長で在任日数歴代1位も

「永田町での関心はもっぱら、安倍首相の任期延長論、それに対抗するポスト安倍たちの動向に集まっています」(全国紙政治部記者)

自民党は総裁が総理になるのがルールだ。ただ、総裁の任期は2期6年。安倍首相はすでに総裁を4年務めており、その任期は2018年9月まで。つまり、安倍首相が総理の座にいられるのは、あと2年ほどというわけだ。

だが、このルールがひっくり返されようとしている。前出の政治部記者が続ける。

「党則を変えて、総裁の任期を3期9年にしようという声が高まっているのです。これなら安倍総裁の任期は21年9月までとなり、東京五輪に“安倍マリオ首相”として再び参席することが可能になる。仕掛け人は党ナンバー2の二階俊博(にかい・としひろ)幹事長。8月2日に『安倍首相の後継は安倍首相しかいない』とぶち上げ、にわかに論議に火がつきました」

二階幹事長の思惑について、自民関係者がこう解説する。

「二階さんの狙いは自民の“裏ボス”になること。77歳と高齢で、次の総理を目指すには年を取りすぎている。だったら、首相の任期延長のために汗をかき、影響力を拡大しようと動いているのです。もともと表舞台には出たがらない寝業(ねわざ)師タイプ。裏ボスこそ、自分にふさわしいと考えているのでしょう」

安倍首相もこうした二階幹事長の動きを歓迎しているフシがあるという。

「悲願の憲法改正をやり遂げるためにも、総理総裁の任期を延長したいというのが本音でしょう。二階さんを幹事長に登用した首相のサプライズ人事も、『この人ならオレの本音を忖度(そんたく)し、黙っていても総裁任期延長論をぶち上げてくれる』と計算した結果と考えるのが妥当です。

二階さんのかけ声もあって年内に議論を終え、早ければ来年1月の党大会で党則が改正される見込みです」(前出・政治部記者)

もし任期延長に成功すれば、安倍首相は桂太郎首相の在任記録(2886日)を抜き、戦前、戦後を通じて日本で最も長く宰相を務めた政治家となる。

ただし、そこは権謀術数が渦巻く永田町。首相の任期延長に「待った」をかける動きが出ているのだ。政治評論家の有馬晴海氏が言う。

「自民党内で、ポスト安倍をうかがう政治家の動きが盛んです。その中心にいるのが『岸破聖美(きしば・せいみ)』。岸田文雄外相、石破茂(いしば・しげる)前地方創生相、野田聖子元総務会長、稲田朋美防衛相の各氏から一文字ずつ組み合わせ、ひとりの政治家に見立てて私が造った名前です」

有馬氏は05年の小泉政権時にもポスト小泉の政治家を「麻垣康三(あさがき・やすぞう)」と命名。これは麻生太郎、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三の4人で、この4人とも自民党の総裁となり、下野して首相に指名されなかった谷垣氏以外は総理大臣にもなった。

では、この「岸破聖美」と名づけられたポスト安倍と目される面々はどのような戦略を立てて、総理・総裁レースに挑もうとしているのか?

最も意欲を燃やしているのは石破氏だ。政治評論家の浅川博忠氏が言う。

「4人のなかでは一番、安倍さんへの対抗心を露(あらわ)にしている。8月の内閣改造時も安倍さんの要請を断り、閣外へと去った。これは次の総理・総裁を安倍さんと堂々と争うと宣言したも同然です」

当然、石破氏は安倍首相の任期延長にも真正面から異を唱えている。8月28日に民放ラジオに出演し、『2年先のことなんて、誰にもわからない。なぜ今、最優先なのか?』と任期延長論を牽制(けんせい)、たとえ総裁任期が3期9年に延長されたとしても、「次の総裁選に出馬することはありうる」と、安倍首相へ宣戦布告を突きつけたのだ。

「実はこの発言の3日前、小泉進次郎衆院議員が講演で『なぜ、今なのかわからない』と、同じ言葉を使って総裁任期延長論を批判しています。先の総裁選で進次郎氏は石破さんを支持しているだけに、この奇妙な言葉の一致は『ついに石破さんと進次郎氏がタッグを組んで、総理・総裁レースに乗り出すのではないか』とも囁(ささや)かれました。石破さんは地方人気はあるが、肝心の党内人気がイマイチ。そこを小泉進次郎が埋めるような形になると、安倍総理にとっては大きな脅威になる」(前出・政治部記者)

では、ほかの3人はどうか。

「石破氏の対抗馬といえるのは岸田外相でしょう。岸田派の領袖(りょうしゅう)で当選8回。オバマ大統領の広島訪問を実現させるなど、政治手腕も確かです」(前出・有馬氏)

ただし、ポスト安倍への戦略は石破氏とは対照的だといわれる。有馬氏が続ける。

「岸田さんは自民では穏健派で憲法解釈も首相とはかなり異なる。それでも安倍政権内で岸田さんの評判はいい。政権への忠誠心が強く、官邸が用意した原稿も棒読 みしてくれると。性格も実直で、安倍首相が退いた後、院政を敷くにはもってこいの人物という声が上がるほどです。本人もそうした首相周辺の空気をわかって いて、石破さんのように首相に対抗するのでなく、権力の禅譲を期待している様子があります」



ただし、そのシナリオが実現するには条件があると前出の浅川氏が言う。

「次の改造人事が勝負です。岸田さんは大臣経験こそあるが、党務の経験がない。総理・総裁になるには党三役の経歴が不可欠。そこで次の内閣改造で安倍首相に快く閣外に送り出してもらい、幹事長などの党務に就けるかどうかがカギとなる。もし安倍首相がそれを拒否し、閣内に留め置かれるようなことになれば、禅譲を期待する岸田外相のシナリオに狂いが生じます」

その点、主要閣僚と党務両方の経験がある分、有利といわれるのが稲田防衛相だ。

「稲田さんは当選4回で、党政調会長、防衛大臣など、すでに党や内閣の主要ポストを複数歴任。安倍首相が自らの後継として帝王学を授けているためです。その意味で稲田さんは禅譲によるポスト安倍の最右翼といえるかもしれません。ただ、惜しむらくはまだ政治経験が少ない。本来ならば、“次”ではなく、“次の次”を目指すのが妥当ではあります」(前出・有馬氏)

前出の浅川氏も言う。

「安倍首相が力を温存したまま退き、“キングメーカー”のような存在になれば稲田氏に後継の目もあるが、逆に力を失った形で総理を辞めるようなことになれば話は別。党内からの嫉妬が大きい分、バッシングを食らう可能性もある」

残るのは当選8回の野田元総務会長だがーー。

「残念ながら現在、4人のなかでは最後尾。先の総裁選で出馬を宣言したものの、20人の推薦人を集められずに撤退したことが響いています。安倍首相の不興も買い、党内で干され気味でもある。それでも野田氏には実力がある。もし蓮舫氏が民進党代表になれば、いずれ自民党でも女性党首を待望する声が強くなるはず。

かつて女性初の宰相候補と目された小池百合子氏は都知事に転出し、小渕優子元経産相は政治資金スキャンダルで潰(つぶ)れた。稲田さんの当選回数がまだ浅いことを考えれば、『野田聖子しかいない』と、出番が回ってくることもありえます」(前出・有馬氏)

反・安倍陣営の石破が安倍とガチンコ勝負型ならば、野田は女性宰相待望論型。一方、親・安倍陣営では、同じ禅譲期待派でも、岸田はここ数年狙いの短期決戦型、そして稲田が“次の次”までをも狙う長期展望型といえそう。

果たして、次期首相の座に就くのは誰だ!?

(取材・文/本誌ニュース班)

最終更新:9/23(金) 6:00

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