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変化のスピードが速い中国、だから中国人には最新のものを売れ!

nikkei BPnet 9月23日(金)10時30分配信

 最近、日本企業からインバウンドや中国越境EC(電子商取引)への売り込みの相談をよく受けます。まず、何を売り込むか、商品選択や商品開発から決めていきますが、そこでお勧めしているのは機能性のある商品、あるいは特徴のある最新の商品です。

 現在の中国は世界中のメーカーが狙っている激戦市場です。海外の商品も店舗やEC上にあふれている状況で、日本製の製品だからといって何でも売れるわけではありません。特徴があって新しい商品でなければ競争に勝つことはできません。

●一挙にスマホ社会に移行した中国

 経済成長が鈍化しているとはいえ、近年急速に発展した中国市場は、欧米や日本のような成熟した国とは消費事情が異なります。私は中国に住み始めてから10年ほど経ちますが、今でも驚くのが社会やインフラが変化していくスピードです。中国では「カエル跳び(Leap-Frog)」(後進国が先進国の歩んだ進化の過程を飛び越えて進んでいく現象)が顕著に見られます。こうした変化の著しい中国社会で中国人向けのインバウンドや越境ECで商品を売るためのヒントは何でしょうか。

 私が中国で仕事を始めた2005年当時、中国で使っていた携帯電話は通話とショートメッセージのみができるノキア社製のものでした。日本ではインターネットに接続できる多機能携帯電話が主流だったと思います。

 その後、中国は多機能携帯電話を飛び越し、完全にスマートフォンの社会に移行しました。すでにスマホの使用比率は74%(日本は54%、アウンコンサルティング調べ)に達し、実際に中国に住んでいる感覚としては老若男女のほとんどがスマホを使用している印象です。

スマホ活用のオンライン決済サービスが普及

 スマホの普及でインターネットへの接続率が農村部を含めて大幅に向上し、ECへの入り口も2019年にはモバイル経由が70%以上となると予測されています。以前は広い中国の農村地区まで販売網を構築するのは大変な手間とコストを要しましたが、現在ではスマホとECの普及により、全国へ展開できるようになっています。

 小売業では既存の百貨店やスーパーマーケットの売り上げが減少しています。一方、小売業におけるEC比率は2016年に約20%だったものが、2019年には約33%になると予想されています。つまり、3年後には小売りの1/3はECになるということです(日本は2016年の約8%→2019年の約10%と予想、eMarketer調べ)。

 中国では北京や上海のような大都市でもまだ市場は残っていますが、スーパーやコンビニのようなモダンマーケットに完全に移行することを飛び越え、ECへ消費の舞台が移行しようとしているのです。

 中国で現金以外の決済手段として、これまで「銀聯」カード(銀行口座から即時に引き落とされるデビットカード)が使われていましたが、与信管理の難しいクレジットカードはあまり普及しませんでした。現在では、ネット通販モールの淘宝網(タオバオ)を運営するアリババ集団の「支付宝(アリペイ)」、微信(WeChat)を運営するIT企業・騰訊控股(テンセント)の「微信支付(WeChatペイメント)」といったオンライン決済サービスが普及しています。

 これらの決済は、小売店も自分のアカウントのQRコードを表示するだけでよく、追加の設備投資も必要ないため爆発的に普及し、2016年の市場規模では前年から3割強増え、円換算で200兆円に迫る勢いです。コンビニやスーパーでの買い物のほか、公共料金の支払などもスマホのアプリで行うことができます。

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最終更新:9月23日(金)10時30分

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