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小宮一慶:オリエンタルランド、三越伊勢丹の最新決算からインバウンドの動向を読む

nikkei BPnet 9月23日(金)10時40分配信

 訪日外国人客数は増えているのに、国内の消費は落ち込んでいます。日本政府観光局(JNTO)の「2016年 訪日外客数」によると、2016年1~7月の総数は前年同期比26.7%増という大幅な伸びを見せているものの、インバウンド消費が反映されやすい「全国百貨店売上高」や「小売業販売額」は、昨年秋から前年比マイナスが続いています。これはどういうことなのでしょうか。
 今回は、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド、百貨店大手の三越伊勢丹などの最新決算を分析しながら、インバウンド消費と日本経済の現状を考えます。

訪日外国人客数は大幅増だが国内消費は減少

 「2016年 訪日外客数」(JNTO調べ)をもう少し詳しく見てみましょう。

 16年1~7月の訪日外客数は、合計で前年同期比26.7%増。驚異的な伸びです。特に増えているのが、中国の38.2%増(380万7900人)、韓国の30.8%増(282万9900人)となっています。

 その一方で、高級品や贅沢品などの消費を示す「全国百貨店売上高」や、小売店の売上高を示す「小売業販売額」を見てください。

 昨年秋頃から今に至るまで、ずっと前年比マイナスが続いているのです。かつては中国人観光客による高級時計や宝飾品などの高額品の爆買いが百貨店の売り上げに貢献していると話題になりましたが、今はそれもなくなり、百貨店の業績が落ち始めているのです。

 訪日外客数は格段に増えているのに、国内の消費が減少の一途を辿っているのはなぜでしょうか。もちろん、日本人の消費が落ちていることもあるでしょうが、それだけではないと私は考えています。インバウンド消費の動向が変わりつつあるのです。

楽観視はできないオリエンタルランド

 ここで、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの16年4~6月期決算を見てみます。

 売上高は前年同期より3.6%増の1069億円。本業の儲けを示す営業利益は、0.9%増の227億円。最終利益である親会社株主に帰属する四半期純利益は4.9%増の162億円となっています。国内景気が冷え込む中、まずまずの業績といえます。

 ただ、オリエンタルランドは楽観視はできない状況です。度重なる入場料の値上げから、客離れが進み、来園者数が頭打ちになっているからです。

 オリエンタルランドが運営するディズニーリゾートの入場料は、13年は6200円、14年は6400円、15年は6900円、16年は7400円と、4年連続で入場料を値上げしてきました。

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最終更新:9月23日(金)10時40分

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