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【新連載】トム・ハンクスに学ぶ、トップであり続ける秘訣

nikkei BPnet 9月23日(金)10時45分配信

 今年7月に還暦を迎えたばかりのオスカー俳優トム・ハンクス。1980年にスクリーンデビューして以降、休むことなく精力的に話題作に出演し、トップスターとしての道を歩み続けている。そんなトムがようやく取ることのできた休暇を返上してでも出演したかった作品が、クリント・イーストウッド監督と初タッグを組んだ9月24日公開の映画『ハドソン川の奇跡』だ。そこで、本作のプロモーションのため、3年ぶりの来日を果たしたトムの言葉から、トップスターであり続ける秘密を探ってみたい。

文:志村昌美/ライター 写真:中村好伸 編集協力:MOVIE Collection(by キッチュ)

役作りのこだわりは「真実のDNA」

 この作品は、2009年にニューヨークで起きた航空機がハドソン川に不時着するという未曾有の事故とその裏に隠された真実を描いているが、その当時日本でも大きく報道されていたこともあり、記憶に残っている人も多いはずだ。しかし、奇跡的に155人の命を救い英雄とされていたサリー機長が、そのあとに思いがけない疑惑をかけられ、容疑者扱いされていたことはほとんど知られていない。実際、サリー機長を演じたトムも脚本を読むまで、これらの事実については、一切知らなかったと驚きの表情をみせていたほどだ。

 本作に限らず、実在の人物を演じることが多いトムだが、「真実のDNA」をきちんと伝えることをいつも大事にしているという。「神話として残っている部分やどういう風に物語が解釈されているかということに興味があるんだ。そして、そこには私たちが知らない事実も隠されていて、『2幕までは知っていたけど、そのあとに3幕や4幕もあった』というような面白さがあるから惹かれているんだ」と作品選びに込められた思いを吐露。

 さらに、「いい題材を常に求めている」と語る言葉からは、60歳になっても変わることのない探求心も伺えるが、それだけでなく自身のことを「俳優としては、負けず嫌いでかなり競争心が強い方だ」とし、ひと回りも年下の共演者であるアーロン・エッカート(副機長役)に目を向けた。

 やはり実力社会では、先輩後輩を問わずライバル心を持つことが人生の向上にも繋がっているのだろうが、トムにとっての競争心とは、決して相手を蹴落としていくものではなく、良い環境のなかで共に戦いながら一層の高みを目指そうとする姿勢のことだろうと感じられる。なぜなら、2人の息の合ったやりとりからは、この作品を通して生まれたであろう男同士の信頼がひしひしと伝わってきたからである。

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最終更新:9月23日(金)10時45分

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