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爆速で売れている『やり抜く力』のスゴい中身 ~人生の成功を決める「究極の能力」とは

NIKKEI STYLE 9/24(土) 11:10配信

 ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店を訪れた。前回の訪問はお盆過ぎの頃。力強い新刊が乏しく、何とかロングセラーの販売でしのいでいた。今回はうって変わって新刊が次々とベストセラー上位に顔を出す展開になっているという。中でも米国の心理学者が書いた『やり抜く力』という本がロケットスタートといえるほどの初速で、ビジネス書売り場全体に活気が広がっている。

人生の成功を決める「究極の能力」とは

 アンジェラ・ダックワース『やり抜く力』(神崎朗子訳、ダイヤモンド社)は、米陸軍士官学校(ウエストポイント)に入学を許されたエリート中のエリートに関する印象的なエピソードから始まる。彼ら士官候補生の5人に1人は卒業を待たずに中退してしまう。それも中退者の大半は、入学直後に行われる7週間の厳しい基礎訓練に耐え切れずに辞めてしまうというのだ。

 何が中退者と耐え抜く人をわけるのか。その研究に心理学者が動員されるが、長らくその理由を確実に突き止めたものはいなかった。試験や高校での成績、リーダーとしての資質などを加味した総合評価スコアとは関連性が見いだせなかったのだ。著者はその研究を進めるうち、それが「やり抜く力」だと気づく。さらにこれを測る測定テストをつくり上げ、ウエストポイントで実施、そこに関連性があることを証明した。

 この「やり抜く力」のことを英語では「grit(グリット)」という。成功へのカギを握るのは「才能」よりもこの「グリット」だということを、ダックワース教授は長年の研究から明らかにした。近年米国で大きく注目されているこの概念に「やり抜く力」という力強い訳語を与え、これをずばりタイトルにしたことで本書は一気にトップスピードでベストセラー街道を走り始めた。

原書刊行4カ月で翻訳出版

 ダックワース教授が長年の研究成果を本書にまとめて米国で刊行したのが5月。わずか4カ月後という素早いタイミングでの翻訳刊行、370ページの本格的な研究書なのに軽装で手に取りやすい判型で出したことも功を奏した。もちろん中身の充実ぶりが売れる一番の理由には違いない。なにしろ10個の質問に答えて「やり抜く力」を測定するグリット・スケールも掲載され、「やり抜く力」を自ら伸ばす方法、さらに外側から伸ばす方法まで、たっぷりと書かれている。成長志向のビジネスパーソンならどうしても読みたくなるところだ。「息の長いベストセラーになりそうな予感がある」と、ビジネス書売り場を束ねる同店2階フロア長の木内恒人さんは言い切る。

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最終更新:9/24(土) 11:10

NIKKEI STYLE

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