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J3降格危機からJ1昇格争いへ。7月を境に横浜FCで何が起きたか

webスポルティーバ 9/24(土) 18:20配信

 9月18日、ニッパツ三ツ沢競技場は厚い雲が低く立ちこめ、小雨がぱらついていたが、人々のどよめきにはそれを振り払う熱があった。エースのイバが2得点し、守護神の南雄太が2度のPKをストップ。雨に濡れながら声援を送ったホームのファンにとって、これ以上ない劇的な勝利だった。

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 J2で7位の横浜FCはこの日、6位の京都サンガを2-0と下し、勝ち点差を4に縮めている。プレーオフ出場権の6位以内を巡る攻防。横浜は見事にその差を縮めたわけだが、7月の時点ではむしろ降格圏に近い順位だった。それが最近の11試合で7勝3分け1敗。破竹の勢いを見せている。

 2007年以来のJ1復帰に向け、横浜FCに何が起こっているのか?

 一つのきっかけは、今年6月で現役を引退し、7月に横浜FCの強化ダイレクターに就任した福田健二(38歳)にあるだろう。

 福田は名古屋グランパス、FC東京、ベガルタ仙台でプレーした後、パラグアイ、メキシコ、スペイン、ギリシャで戦い続け、生まれ故郷の愛媛に戻った後、香港でスパイクを脱いでいる。香港での最後のシーズンは、「リーグ年間人気投票」で、中国代表を完封して英雄になった香港代表GKを制して1位に輝いた。若手に与える影響が大きく、香港代表スタッフのオファーも受けたほどだ。

 その福田が最初に横浜FCの雰囲気を見たときは、愕然としたという。スペイン2部の厳しい環境で2桁得点した男にとって、選手は覇気に欠け、なにから手をつければいいのか分からないほどだった。案の定、就任直後のチームは連敗した。

「『危機的な状況にある』ということはみんなに伝えましたね。そして、『それを変えるのは選手自身なんだ』とも言いました。技術や戦術よりも、まずは気持ちの部分だと思ったんです」

 そう語る福田は、チームのエースストライカーであるイバに目をつけている。モロッコ系ノルウェー人のイバ(31歳)は当時20試合で3得点。身長190cm、体重88kgの大型FWは絶不調に喘いでいた。

「僕が初めて見たときのイバは、やる気がないというか、腐っていました。でも、日本人にはない体を持っているし、ボールを収める技術はあるし、パンチの効いた左足シュートも打てる。いろんなことを求められすぎていたので、ゴールに向かってシンプルにプレーさせれば、必ず戦力になると考えました。それでコーヒーを2人で飲みながら、“おまえは別格なんだ。必ず活躍できる!“って、いい気分にさせたというか。だから、僕が何かをやったんじゃなくて、これがあいつの力なんですよ」

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最終更新:9/24(土) 18:20

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