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「他人を引きずりおろそうとする人」の、意識の根底にあるもの

ライフハッカー[日本版] 9/24(土) 21:10配信

心理学博士である『他人を引きずりおろすのに必死な人』(榎本博明著、SB新書)の著者は、他人を引きずり降ろそうとする人が増えたことについて、「はじめに」で次のように解説しています。

”ひと言で言うならば、それだけ現状に不満をもつ人が多いからだ。
頑張れば給料が上がり、生活が向上していくのを実感できる時代ではなくなった。絶え間ない技術革新により、産業構造も危うくなり、年金や社会福祉にも暗雲が立ちこめている。
だれもが将来への不安を抱えている。(中略)
そこに込み上げてくるのが、他人を引きずりおろしたいという衝動だ。
そうした危険な衝動を抱える人に足をすくわれないためには、どんなことに気をつけるべきなのか。
他人を引きずりおろすのに必死な人たちの精神構造はいったいどうなっているのか。
他人を引きずりおろさずにはいられない衝動がうごめく社会を、どのように生き抜いて言ったらよいのか。そうした疑問に応えるべくまとめたのが、本書である。
(「はじめに」より)”

きょうはそんな本書のなかから、インターネットがもたらした弊害についての考察がなされた第6章「スマホの長時間使用が『理性』を壊す ----病理を助長するネット社会に」に焦点を当ててみましょう。

ネットはなぜ人を攻撃的にするのか

著者はネット空間に攻撃的なやり取りが多い理由について、(妬みによる攻撃は昔からあったものの)「ネットの普及により、手軽に人を攻撃できる環境ができた」からだと分析しています。そしてその環境を形成するものは、2つあるのだそうです。

まず第一は、ネット上のやり取りでは相手を配慮する必要性が低いということ。対面の場合は、相手の傷ついた様子や腹を立てた様子、困った様子などが表情や声の調子で伝わってくるため、相手のことを配慮せざるを得ず、簡単に攻撃的なことは口にできないわけです。しかしネット上では相手の様子が伝わらないので、相手をそれほど意識せずにいいたいことをいいやすいということ。また、相手の反応にも時間差があるぶん、配慮が疎かになりやすいといいます。

ましてや有名人の炎上に便乗するとしたら、相手は直接顔を合わせることもない遠い存在。そのため、配慮に欠けた発信をしてしまいやすいということ。企業やお店の店員などを批判する場合も、なんのしがらみもないぶん、相手への配慮より「欲求不満の発散」のほうが優先されるわけです。

そして第二は、ネット上には「幻想的万能感」を持つ人が発信しているケースが多いという側面。以前は、不特定多数に対して発信できるのは、マスコミ関係者や専門家などに限られていました。ところがネット社会になり、その気になれば誰もが不特定多数に対して発信できるようになったのです。そして見るべきポイントは「不特定多数への発信は、社会的に大きな影響力を持つ」という事実。

いまは、ひとりの消費者の発信によって、企業が批判の渦に巻き込まれたり、店が経営の危機に追い込まれたりする時代。その結果、そうしたネットの威力を実感し、「自分は大きな影響力を行使できる」「自分はなんでもできる」といった幻想的万能感を持つ人たちが出てきたということです。

また、そうした人は「自己誇大感」を抱えているため、自分が絶対に正しいと思い込み、人の意見に耳を貸さない傾向があるとか。そのため反論されると、ムキになって応戦するわけです。自分を絶対だと思い込み、自分の優位を誇示したくて発信しているので、優位性が揺らぐようなことはあってはならないという立ち位置。だから、非難するつもりなどなく軽い気持ちで質問しただけでも、ケチをつけられた気持ちになって反撃してくるということ。(170ページより)

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最終更新:9/24(土) 21:10

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