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コムアイのリアルラブドール邂逅:東京・上野 オリエント工業へ

ローリングストーン日本版 9/24(土) 20:00配信

ローリングストーン日本版 2016年8月号掲載
東京・上野 オリエント工業へ:リアルラブドール邂逅

【写真あり】コムアイのリアルラブドール邂逅:東京・上野 オリエント工業へ

限りなく人間の女性に似た人形である「ラブドール」。1977年からこの人形の製造を開始し、以来、約40年業界のパイオニアとして一線をリードするオリエント工業のショールームを、とあるきっかけから「ラブドール」に興味を持ったコムアイと訪ねた。

コムアイとラブドールの視線が交差する。そっと触れた指先が柔らかなシリコンの肌をなぞる。人形のまっすぐな瞳は動かない。しかし、その眼差しはすべてを受け入れるかのようで、とても優しい――彼女の名前は、沙織(さおり)。オリエント工業のリアルラブドール「アンジェ」シリーズの一体だ。

ここは台東区上野にある、オリエント工業のショールーム。室内には何体ものリアルラブドールが物言わず、どことなく寂しげな様子で佇んでいる。しかし、不思議と居心地は悪くはない。むしろ、母親の胎内にいるような・・・時の流れを忘れる、そんな柔らかくて温かな空気で満ちている。

「高校生の時に作家の伴田良輔さんのアトリエに行ったら、ラブドールがいて。丸一日その子と一緒に過ごしたんだけど、気がついたら、伴田さんもどこかに行っちゃって私とその子だけで過ごしてたんですよね。すごく居心地がよくて、気がついたら少し話しかけてたのを覚えてますね」。

コムアイが、ラブドールに初めて触れたのは高校生の時。以来、ラブドールそして、オリエント工業にはずっと興味を持っていたのだという。

リアルラブドールとは、人間の女性に限りなく似せて作られた人形のことである。もともと、障害者や性交に対して何らかの差し障りのある人のために開発されたものだが、愛の人形(ラブドール)という名の通り、一般的に疑似性交を行うためのものとして広く認識されている。

オリエント工業では何かの対処療法的に人形をデザインするということはない

オリエント工業は1977年からこのラブドールの製造を始め、以来約40年、技術革新を続けながら製品を開発し続けている。モデルから直接型取りした頭からつま先に至るまでリアルな造形、そしてシリコンを使用した柔らかな手触り、すべてがハンドメイドで作られたリアルラブドールは、ただの「人形」という域を超えている。最上位モデルである「やすらぎ」は一体につき68万5千円からという決して安くはない価格だが、注文が絶えることはないそうだ。

「性処理の道具としてのラブドールに対しての嫌悪感みたいなものは最初からなかったですね。むしろモラル的に許されない性欲を解消する手助けになってるんじゃないかと思って」

オリエント工業では何かの対処療法的に人形をデザインするということはない。小児性愛者のために女子の人形を作るということは絶対にない。過去には亡き妻や娘の面影を求めて、デザインをして欲しいと写真を持ってくる人の要望に応えていた時期もあったらしいが、身元の確認が取れないなど諸般の事情でこのサービスはなくなった。

「その子と一緒に時間を過ごした時は、見守られている感じがして、彼女となら同居もできそうだなって思った。本当の女の子だったらいろいろ気になることが出てくるんだと思うんだけど、この子ならわかってくれるって安心感と、放っておいてくれる信頼感が不思議とありましたね」。

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最終更新:9/24(土) 20:00

ローリングストーン日本版

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