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北海道内コンビニ店舗数No.1!セイコーマートが「とうもろこし」を売り続ける理由

HARBOR BUSINESS Online 9/24(土) 16:20配信

 日本人の生活に欠かせないインフラのひとつなっているコンビニだが、ガラパゴス的な進化の好例として、近年注目を集めているのが、セイコーマート(株式会社セコマ、北海道札幌市中央区)だ。

 日本のコンビニエンスストアとしては最古参を誇り、1971年に1号店をオープンして以来その店舗数を増やし続け、道内においてはコンビニの雄と言われるセブンイレブンの店舗数よりも多い。

◆顧客満足度1位を獲得

 JCSI(日本版顧客満足度指数)のコンビニエンスストア部門では、セブンイレブンやローソンなどを抑え、2011年から2014年まで4年連続1位。2015年には2位に陥落したものの、今年2016年には再び1位に輝き、地場企業でありながら全国的にもその知名度は高い。現在、道外では茨城県や埼玉県にも店舗を展開している。

◆プライベートブランドを最初に始めたのもセイコーマートだった

 セイコーマートは他の大手コンビニに先駆け、1995年にプライベートブランド第1号のアイスクリームを販売。店内調理のお弁当やホットスナックを提供する “ホットシェフ”の前身となる“ホットフード”のサービスを開始した。現在、年間売り上げは“ホットシェフ”だけで、道内のマクドナルドを抜くという。

 他にも100円惣菜やワンコインワイン、ベーカリーなど、北海道の豊かな生産力を背景に、プライベートブランド商品を展開。それらは道民にとってなくてはならないものとなっており、道外の観光客に“ご当地グルメ”として取り上げられることもしばしばだ。

 国内のコンビニで初の本格的なポイントサービスの導入したのもセイコーマートだが、飽和状態にある国内のコンビニ業界を見据えたそのビジネスモデルは、テレビや経済メディアなどでも取り上げられている。

◆「ゆでとうきび」はセイコーマートの強みが凝縮されている

 グループ企業は26社にものぼり、小売のみならず、卸・物流、製造、農業生産法人が統合的に運営され、新鮮な生鮮食品を道内人口のほぼ100%に提供する独自の物流網を構築してきた。そのため、他社のコンビニエンスストアやスーパーが進出できない過疎地域にも、セイコーマートだけは店舗を構えている。

 そうしたローカライズされた強みを持つ地域密着型コンビニ「セコマ」の魅力が詰まった、象徴とも呼べる商品のひとつが、毎年7月~9月中旬まで季節限定で販売されていた“ゆでとうきび”だろう。

 北海道の名産品とうもろこしの鮮度は、もがれた瞬間から落ちていく。セイコーマートでは収穫した生のとうもろこしを低温輸送。各店舗に運ばれたとうもろこしはすぐに塩ゆでされ、店頭に並ぶ。原材料はとうもろこしと食塩のみだが、ギッシリと実が詰まったこの一本。その引き締まった粒を噛み締めると、プチプチシャキシャキとした食感とともに、柔らかな甘みが口に広がる逸品だ。199円という価格も相まって、手軽に旬の茹でたてのとうもろこしを食べられると、地元住民にすっかり定着している。

 生産と物流が密に連携し合ったセイコーマートだからこそ、ゆでとうきびは商品として置くことができるのだ。

◆激化するコンビニ戦争

 また、オーナーの高齢化でコンビニの店舗が閉鎖する例は、各地で見られるが、セイコーマートは現在7割以上が直営店だという。都市部に先んじて本格的な高齢化に直面しながら、地場の物産で同業他社と互角に渡り合うセイコーマート。2013年からは他社スーパーやドラッグストアへのプライベートブランド商品の供給を開始し、さらなる拡大を狙っている。

 とはいえ、ここ数年コンビニ業界は再編が続いている。サークルKサンクスとファミリーマートの合併に加え、今年になってセブンイレブンが高知県に初出店を果たした。長年、メディアから定期的に取り上げられるコンビニ戦争。セイコーマートは次にどのような一手を打つのか。今後の動向に注目したい。

<取材・文/伊藤綾>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9/24(土) 16:20

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