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八代目「中村芝翫」襲名の使命 海老蔵らの“兄”世代

デイリー新潮 9/24(土) 15:00配信

 史上初の親子4人同時襲名だ! 10、11月の歌舞伎座襲名披露興行では、中村橋之助(51)が成駒屋の大名跡八代目・中村芝翫(しかん)を、長男の国生(20)が四代目橋之助、次男の宗生(18)が三代目福之助、三男の宜生(よしお)(15)が四代目歌之助を継承。これを大阪松竹座、博多座、京都四條南座と1年がかりの披露興行である。

 噺家で『歌舞伎はこう見ろ!』の著書もある快楽亭ブラック師匠は、

「新歌舞伎座になってあまりいい話のない歌舞伎界だからこそ、賑やかにやって断ち切って貰いたい。橋之助は唯一と言っていい歌舞伎顔の持ち主ですし、梨園のBIG4の後がいなくなってしまったから、頑張って貰わないと」

 BIG4とは、1940年代生まれで、今も健在の松本幸四郎(74)、尾上菊五郎(73)、片岡仁左衛門(72)、中村吉右衛門(72)。それに続く50年代生まれが、中村勘三郎、坂東三津五郎だったが、相次いで世を去った。

 歌舞伎評論家も言う。

「その後に当たるのが橋之助です。海老蔵や染五郎、猿之助と同世代のように見えますが、勘三郎たちの末弟に当たり、海老蔵たちの兄さん世代。その違いは昭和の名優たちの記憶があるかどうか。なにより名子役だった橋之助は記憶もしっかりしているんです。根っからの芝居好きですから」

 母におねしょを責められ、「今宵のことはこの場ぎり」と言い放ち、幼稚園の面接試験で、「お腹が空いたらどうする?」と尋ねられると「ひもじうない」と答えたとか。夫人の三田寛子との初デートのドライブにかけた音楽が「船弁慶」というのは有名な話である。

「彼は幕末から明治にかけて活躍した四代目“大芝翫”以来となる、立役の芝翫です。10月公演の『熊谷陣屋』は団十郎型と芝翫型の2つがありますが、芝翫型を復活させ、いまそれが出来るのは彼だけ。時代ものの出来る重厚な役者になって欲しいという期待は大きい。と同時に、後の世代に昭和歌舞伎を伝える重責を一人で背負い込むことになるのです」(同)

 ここは夫婦で手に手を取って、がんばれ成駒屋! 

「週刊新潮」2016年9月22日菊咲月増大号 掲載

新潮社

最終更新:9/24(土) 15:00

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