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ガンになった会社員、4人中3人が「治療を受けながら仕事を続けている」

週刊SPA! 9/24(土) 16:20配信

 日本人の2人に1人はかかると言われているガン。“不治の病”というイメージはいまだに根強いが、「ガンと診断されてからも働き続けることは可能」という事実もある。治療技術が進歩している分、昔ながらの常識に促われたままでは見失うことも多い。ガン患者75人に聞いたアンケート調査を元に、現代のリアルなガンとの付き合い方を考えてみたい。

◆ガンになった会社員は気苦労の塊だった……!

●Q1.ガンと診断されてから、働き方に変化は?

・以前とほとんど同じように働いている…42人

・異動や転職によって、就労時間を減らした…17人

・退職して治療に専念している…7人

・休職して治療に専念している…6人

・その他…3人

●Q2.仕事を続ける上でのトラブルや苦労は?

・特にない…22人

・通院や検診で仕事に支障が出る…13人

・周囲に気を使う…9人

・体調不良で仕事に支障が出る…9人

・いつまで仕事が続けられるか不安…4人

 アンケートでは、実に4人中3人が「治療を受けながら仕事を続けている」と回答。職場での苦労やトラブルも「特にない」がトップになるなど、治療と仕事の両立がもはやスタンダードとなっている傾向を窺わせる。だが、個々のコメントを見ていくと、問題点も明らかに……。

 なかでも目立ったのが「通院や検診でちょくちょく休まなければならないのが気苦労」(45歳・製造業。他多数)という意見。

「日本企業では、伝統的に“健康な成人男性”をイメージして就業規則が設けられてきたので、週5日、9時~5時で勤務することが“仕事ができる”ということと同義になってしまっている。だから『昼からしか出社できない自分はダメ社員なのかも……』みたいに思ってしまう人も出てきます。ただ、これは会社に相談することで解決するケースも多い。時短勤務制度がないのは、これまで会社側にそういう発想がなかっただけの話で、ガンになった社員からの相談をキッカケに、新たにフレックス制や在宅ワークを導入した企業もあります。まずは人事に相談すべきですね」(数多くの企業で産業医を務める大室正志氏)

 続いて多いのが「周囲に気を使う」という悩み。「体調不良で仕事に支障が出る」に匹敵する数だ。

「ガンの問題点のひとつは、見た目では具合の悪さがわかりにくいということ。『思ったより元気そうじゃないか』と思われてしまうと、本当に体調が悪いのに『あいつは病気にかこつけてサボろうとしている』などと不満を抱かれかねない。私が取材したガンの患者さんには『上司よりも同僚の視線が気になる』という人が多かったですね。『あいつばかりラクしてズルい』という不公平感を抱くのは同僚ならでは。若い社員が多いベンチャー企業なんかも、一見、理解がありそうに思えるのですが、自分たちがバリバリ働いている分、病気の社員には冷淡な側面があるようです」(ジャーナリストの松沢直樹氏)

 また、職場の人間から陰湿な嫌がらせを受けるケースも、残念ながら存在する。

「ガンの治療と就労をどう両立させるかというテーマは、学会でもよく話題になりますが、さまざまな分析を重ねた結果、『仕事ができて、職場でいい人間関係を築いている人に対しては、周りが配慮してくれる』というミもフタもない結論に(笑)。就業規則のラインは厳しくても、人によって特例でイレギュラーな働き方を認めている企業は多い。要するに、ガンになったときの備えとして最も有効なのは『周りと仲良くしておく』ことにほかならないのです」(大室氏)

【大室正志氏】

産業医。同友会春日クリニック・産業保健部門に所属。メンタルヘルス対策など、企業における健康リスク低減に従事する

【松沢直樹氏】

ジャーナリスト。非正規、請負などの立場で働く人の労働組合「インディユニオン」執行副委員長として労働相談などのサポートに当たる。著書に『うちの職場は隠れブラックかも』(三五館)

― [40代でガン]の実態 ―

日刊SPA!

最終更新:9/24(土) 16:20

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