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哀川翔「人生うまくいってないなら、まず今の自分を捨てろ」

週刊SPA! 9/24(土) 9:10配信

 LINEやSNSが主要なコミュニケーションツールとなり、人対人のコミュニケーションのあり方が10年前とは比較にならないくらい変容した現代。あら探しをしようと思えば、すぐにできてしまう「何かと大変な時代」に生きづらさを感じている人は、さぞ多いに違いない。しかし、時代がどんなに変わろうと、ブレずに生き続ける男は少なからず存在する――。こと芸能界において、その代表格といえば、哀川翔だろう。芸歴31年、自身の人生訓を詰め込んだ書籍『ブレずに生きれば道は拓ける! 一翔両断!!』を発売した翔アニキに、混沌とした現代を生き抜く秘訣を聞いた!

――今って何かと生きづらい時代になってた…と感じている人は多いと思うんですが、翔さんはご自身が10代、20代だった頃と比べて、生きづらい時代になったと感じるようなことはありますか?

哀川:全然生きづらくないよ、俺は。ネットがどれだけ盛んになろうが、いろんなことを検索されようが、別に俺にとっては関係ないもん。LINEなんて、めちゃくちゃ便利じゃん! 俺が10代、20代の頃にあってほしかったよ(笑)。

――生きづらいとは感じてないんですね。もし、今の時代に翔さんが若者だったとしたら、生き方は変わってないですか?

哀川:たぶん変わってないね。俺はテレビゲームが出たときにも、一切テレビゲームやってないから。みんなテレビゲームにどっぷりハマったときに、毎晩、外で酒飲んでたんだもん(笑)。今、俺が若かったとしても、たぶん同じなんじゃないかな。

――確かに、そのライフスタイルだと変わりようがないですよね(笑)。翔さんはブレない生き方を貫いているなーと思うんですけど、自分の信念を貫く生き方っていうのは、なかなか容易ではないと思うんですよ。

哀川:うーん、どうなんだろうなー。でも、俺、信念はないんだよね。高校のときは学校の先生を目指してたのに、それがダメになって、とりあえず上京したんだけど、最初の目標も『とりあえず社長になりたい。何かの』だったし(笑)。根本は、むっちゃユルいんだよ。だから、行き詰まってる人って、『明日がない』みたいな言い方するけど、明日はあるよ。仕事だって、選ばなきゃいっぱいあるんだから。選ぶからダメなんだって。

――でも、翔さんも、選んではきたんじゃないですか?

哀川:選んでないよ。俺は明日来る仕事を選んだことないし、「どうですか?」って向こうから来る仕事を、来た順番に受けてるだけなんだから。俺たちは供給側だからね。需要に則ってやってきた結果、今の俺があるだけで、生き方自体は結構流動的だよ。だって、あんなに売れたカップヌードルだって、ずっと同じ味なわけじゃなくて、何度も味変わってるじゃん。いざってときに、そういう柔軟さもないと、生きてはいけないってことだよ。なんの世界でもそうだと思うよ。大体、今の人たちは、携帯1コなくなったぐらいでバタバタしちゃうでしょ?

――バタバタしちゃいますね。相当、焦ります。

哀川:それじゃダメだよ。俺なんて、まったくバタバタしないもん。300人くらい友達は携帯に登録されてるけど、そんなの誰かに聞いたらすぐわかるし、そうじゃなかったら、別にまた1から積み上げればいいんだもん。それでも連絡取れなかったら、こいつはいらないっちゅうことか、みたいな(笑)。

――(笑)。では、今の時代を生きづらいと感じていて、人生がうまくいっていない人は、何をどうすべきでしょうか?

哀川:うまくいってないって人は、どこかで甘えてんじゃないかな。俺が見てきた限り、いつも大変とか言ってるヤツは、まず人の話や言うことを聞かないよね。そりゃ、大変にもなるって。人の話や言うことを聞いてりゃ、そんなに大変になるはずないよ。

――ただ、いろんな人の意見を取り入れすぎると、今度は逆にどれを信じたらいいかわからなくなったりもします。

哀川:いやいや、現場で自分の上司をひとり決めればいいんだよ。『この人の言うことは聞こう』って。俺はそれでしか生きてないから。現場に行ったら、監督の意見は全部聞くぞって思って行ってるから。

――翔さんの、人生の師匠みたいな人はいるんですか?

哀川:人生の師匠はいないけど、その時々の師匠はいっぱいいるよ。俺はそういう人たちの言うことを聞いてきただけだから。そもそも下の人間が腹が減ったって顔をしてたら、「おまえ腹減ってんだろ?」って言ってくれる。それが師匠だから。「すみません、お腹空いてるんですけど」って、こっちから言わなくちゃいけないような上司を師匠にすることないよ。そういうことができない上司は、上司じゃないよ。成功してる人は、みんな気遣いがすごいから。そこは共通してる。

――自分も信頼できる相手を間違えちゃダメですね。

哀川:あと、今がうまくいってないって人は『まず自分を捨てなさい』っちゅうことだよ。だって成功してねえんだから、1度捨てるしかないじゃん。これまで、自分の考えで失敗してんだから。まず1回捨ててみて、そこで誰が拾ってくれるのか。『誰も拾ってくんなきゃ、あなたは終わり』って話だから。

――終わっちゃったら、どうするんですか? それ…。

哀川:しょうがないよ、またそこから考えるしかないよ。終わってないから、考えられないんだよ。完全に終わったら考えるだろ、ヤッベー!! って。無人島にバーンと投げられてみな? みんな必死で生きようとするぜ? その覚悟がないからダメなんだよ。だから、ぬるいって言うんだよ、俺は。

――それぐらいのショック療法じゃないですけど、1回終われと。

哀川:そう。みんな、あまりにも自分をかわいがりすぎなんだよ。実は誰もがそんなにできてはいないし、できるように生かされてる、って思ったほうがいいよ。俺だって、現場でやることはわかっていても、その場で作品を作り上げる人がいないと生かされないわけよ。ただ、俺は「呼ばれた」っていう自負はある。「俺が来たんじゃない、おまえらが呼んだ。でも、俺はなんでも言うこと聞くぜ」って、そういうふうに構えてるから、現場が終わるんだ。終わるってことは、やり遂げたから帰れるんだよ。

――確かに。

哀川:俺、30数年間、現場やってるけど、1回も帰れなかった日はないから。言うこと聞きゃ終わるのよ。みんな言うこと聞かないから終わらないんだよ。だから、おまえが作ってんじゃないよ、ってことをまず頭の中に入れろって。まず、作り上げる人がいて、俺たちはその部品として働いてるから、モノができてるんだっていう回路を持ちなさいっちゅう話よ。

――これはサラリーマンも一緒ですよね。

哀川:一緒だよ。会社がなかったら、おまえはなんなんだよ。ひとりで会社やれば? っていう話じゃない。だから、文句ばっかタラタラ言ってるヤツには、いつも言うんだ。「おまえ監督やって、映画1本つくってみろよ。大変だぜ?」って。誰もが簡単にできないことを監督はやってるんだから、役者は言うこと聞いときゃ、いいじゃん。「こうやってください」って言われた通りにやってれば役者として成り立つんだから、100倍楽だよ、監督より。それでお金もらえるんだから、ラッキーじゃん。

――そう考えるとサラリーマンも使う側より、使われる側のほうが楽かもしれませんね。

哀川:絶対そうだと思うよ。言うこと聞いてりゃいいんだから。ただ、誰の言うこと聞くかは決めなさいよ、ってことだよ。

 これまで、ブレずに己の信念を貫いて生きてきた人と思っていたが、意外にも、自分の立場に合わせた柔軟な生き方をしていた翔アニキ。しかし、その考え方のベースは、すべてがシンプルで1本芯が通っている。時代は変われど、本質は決して変わらぬ生き方。だからこそ、哀川翔は多くの人に「アニキ」と慕われるのだろう。

【哀川翔】

1961年、鹿児島県生まれ。一世風靡セピアの一員として「前略、道の上より」でレコードデビュー。TVドラマ「とんぼ(TBS連続ドラマ)」、映画「オルゴール」での新人らしからぬ存在感が認められ、一躍脚光を浴びる。その後、東映Vシネマで、たて続けに主演をつとめ、ヒットシリーズを連発。現在はドラマ、映画、またバラエティ番組でも独自の存在感を発揮し、活躍中。この9/23に、自身の人生訓が詰まった書籍、『ブレずに生きれば道は拓ける! 一翔両断!!』(KADOKAWA/角川マガジンズ)が発売

<取材・文/青柳直弥 撮影/SHIN ISHIKAWA(Sketch)>

日刊SPA!

最終更新:9/24(土) 9:10

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