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「働けない」に保険で備え 免責期間、定義を確認

NIKKEI STYLE 9/25(日) 7:00配信

 一家の大黒柱が重い病気やケガで長期にわたって働けなくなると家計は傾きかねない。こうしたリスクを保障する商品に「就業不能保険」があるが、新商品が今夏に相次ぎ発売され、保障内容が多彩になっている。契約を検討するなら就業不能になるリスクの大きさや保険金が出る条件を頭に入れ、障害年金など公的保障とのバランスも考えておこう。
 「稼ぎ手は家族で自分だけだから」。東京都の会社員、Aさん(38)は8月、インターネットで見つけたライフネット生命保険の就業不能保険「働く人への保険2」に加入した。Aさんの年収は約1千万円。病気などで死亡しても専業主婦の妻と幼い娘2人がお金で困らないよう生命保険にすでに入っていたが、「ずっと働けないまま生きていたら」という一抹の不安があったからだ。
 この保険はもしAさんが60日を超えて入院か医師の指示による自宅療養をすると、働けるようになるまで月15万円の保険金が出る。保険料は月4146円。保障期間は60歳までなので、仮に40歳からずっと働けないままなら20年間の保険金は合わせて約3600万円にのぼる。

■月15万円が支給

 東京都の保育士、B子さん(26)も最近、アメリカンファミリー生命保険(アフラック)の「給与サポート保険」に加入した。やはり長期の就業不能になると、月15万円の保険金が出る。子どもを抱き上げたり、重い荷物を運んだりの力仕事が多く、腰痛で通院した経験があるだけに「万が一、働けなくなった場合の不安を解消しておきたい」という思いが強かった。生命保険の死亡保障を減らして保険料を捻出した。
 AさんやB子さんのような現役世代が長期の就業不能になるリスクはどのくらいの大きさだろうか。はっきりした統計はないが、病気やケガなどで会社を休むと最長で1年6カ月間、健康保険からそれまでの給料の3分の2が支給される傷病手当金のデータが参考になるだろう。全国健康保険協会(協会けんぽ)の2014年度データに基づく推計では、被保険者の約1%が傷病手当金をもらっていた。
 平均受給期間は5カ月半ほど。ほとんどの人が職場復帰し、最長1年6カ月の期限まで受給が継続した人は約2.5%にとどまった。これは被保険者全体の約0.025%で、35~39歳の死亡率と比べると約3分の1の水準になる。リスクは小さいとみることもできるが、ファイナンシャルプランナーの竹下さくら氏は「働けなくなったときの家計の影響は、死亡よりも大きいかもしれない。個人事業主などは保険を前向きに考えてもいい」と指摘する。
 数百万円の蓄えがある会社員であれば、傷病手当金の期限が切れるような長期の就業不能のリスクを中心に検討するのが選択肢だろう。非課税の傷病手当金があるうちは手取りベースの収入が大きくは減らないからだ。一方、個人事業主は同手当金がないため、数カ月ほどの就業不能であっても、その間の生活費をカバーする保険のメリットは大きそうだ。
 就業不能保険を選ぶポイントはいくつかある。まず働けなくなってから保険金の支払いが始まるまでの免責期間。これはどの商品にもあり、免責期間が短いほど保険料がかさむ。ライフネットは60日か180日から選べるようになっており、同社の40歳男性のプランで比較すると、免責60日は180日より保険料が5割ほど高い。

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最終更新:9/25(日) 7:00

NIKKEI STYLE

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