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iPhone 7「分解の儀」 職人の技を見た

NIKKEI STYLE 9/25(日) 7:00配信

 iPhone 7/7 Plusが発売された2016年9月16日、我々は東京都内某所に集結していた。我々といっても実は、記者は見学のために同席させてもらっただけである。主役は米iFixit(アイフィックスイット)のメンバーだ。

 iFixitはスマートフォンの修理ツールや修理部品などを販売している米国のベンチャー企業。iPhoneの新機種が出ると必ず分解してその様子を公開することでも知られている。日本では、彼らの本拠地である米国カリフォルニアよりも、時差の関係で16時間早くiPhoneを入手できる。だれよりも早くiPhone新機種を入手・分解するために日本にやってきた。

 それに協力したのが、日経テクノロジーオンライン/日経エレクトロニクス編集。彼ら自身も独自の分析のためにiPhoneを分解する。そこでiFixitの分も含めて新製品を購入して、スタジオを提供することになったのだ。記者はそれを見学しにいったのだった。

 アップルストアで購入したiPhone 7/7 Plus、そしてApple Watchがスタジオに到着したのは午前9時すぎ。今回、iFixitの「分解職人」は2人来日していたため、さっそくiPhone 7 PlusとApple Watchに分かれて分解が始まった(Apple Watchの分解の様子は別記事でお届けする予定)。iPhone 7 Plusを担当するのは「イージー・ライター」というユニークな肩書を付けているジェフ・ソヴァネン氏だ。

■分解・修理用に独自のツールを用意

 分解に使うのがiFixit独自のツールキット。64種類のドライバーなどが含まれていて69.95米ドルで販売している。もう一つ、特にスマートフォンの分解に威力を発揮するのがiSclackというツール(24.95米ドル)。吸盤をスマートフォンの両側に貼り付けて、傷をつけずに剥がすのだ。ちなみに、きょう体をこじ開けるのに使うツールも、傷を付けないようにプラスチック製になっている。

 ジェフは、さすがに手慣れたもので、特に試行錯誤することもなく、きょう体を開けていく。「今買ったばかりの最新機種をこんなにしてもったいない」と、素人の記者は思ってしまったのだが、もちろんそんな感慨もなく、淡々と作業は進行する。

 作業は手早いが、それだけでなく丁寧だ。例えば、外したねじは、ボードの上にどこから外したかを記録して置いていく。彼らが着ているTシャツの背中には「テアダウン(tear down=破壊)」と書いてあるが、彼らの目的は、修理のための情報を得ること。「今日は調べるのが目的なので、後から組み立て直すことはしないが、本来は分解したら、組み立て直せる」(「ガイドキーパー」のサマンサ・ライオンハート氏)という。

 そして、作業が一つ進むごとに、写真を撮っていく。部品をどこから外したか分かるように、外したものを再びきょう体に入れて撮る。分解そのものよりも、撮影の方が時間がかかるくらいじっくりと時間をかける。カメラはLANケーブルでMacBookに接続されており、1枚写すごとにサマンサが写真を細かくチェックする。ピントが全体にあっているか、写したい部分がちゃんとよく見えているか……。ちょっとでも良くないところがあれば撮り直しだ。「これくらい撮れていれば十分じゃないの」と思うレベルの写真がほとんどだが、サマンサは容赦しない。

 そして、OKが出た写真はリアルタイムで彼らのサイトにアップされていく。どんどんコメントも書き込まれ、臨場感あるやり取りが交わされる。

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最終更新:9/25(日) 7:00

NIKKEI STYLE

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