ここから本文です

クウェート、すべての国民からの「DNA強制採取」を決定

WIRED.jp 9/25(日) 4:42配信

クウェートの弁護士が、同国で議論を呼んでいるDNA法に対する憲法訴訟を起こした。報道によれば、この法律は2016年11月に発効する予定だという。

【米国ではこんな動きも】渡米に「SNSアカウントの提出」が必要になるかもしれない

この法律は、すべての市民と居住外国人にDNAサンプルの提出を義務付けるもので、対象者は合計でおよそ350万人に達する。また、ペルシャ湾岸の小さなこの国を訪れるすべての外国人も対象だ。

この法律は、2015年6月に同国首都で30人近くが死亡するテロ攻撃が発生した直後に国会を通過した。国民全員のDNAサンプルが記録された大規模なデータベースができることで、テロ犠牲者の身元の確認が簡単になるだけでなく、容疑者の特定も容易になるとみられている。

だが、このような法律が施行されるのは世界で初めてであり、批判も多い。この法律がテロ対策の道具として効果的でないばかりか、データベースが盗まれたりハッキングされたりすれば、大規模なプライヴァシー漏洩の法的責任が問われる事態になる、というのがその理由だ。だが、サンプルの提出を拒否した者には、禁固刑や約3万3000ドルの罰金を科せられる可能性があると『Kuwait Times』は報じている。

「すべての市民、住民、訪問者に対して政府へのDNAサンプルの提出を強制することは、正当な理由なく家宅捜索を行うのと同じだ」と、訴訟を起こした弁護士のアデル・アブドルハジは『New Scientist』に対して語っている。「人間の体は、住宅より神聖なものだ」。彼はこの法律は、クェート憲法が明示的に基盤とするイスラム法に反していると主張している。

多くの活動家は、DNA調査が何らかのかたちで、クウェート生まれのクウェート人、そのほかの市民、そして「ビドゥーン」と呼ばれる無国籍の人々の間に新たな亀裂をもたらす可能性を懸念している。なお米国では、逮捕された人のDNAサンプルを警察が採取することは合法となっている。

CYRUS FARIVAR

最終更新:9/25(日) 4:42

WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.26』

コンデナスト・ジャパン

2016年12月10日発売

630円(税込み)

特集:新しい映像。新しい物語。ヴィジュアル・ストーリーテリングの新時代を伝える「WIRED TV」特集。映像はいま何を語り、どんな体験をもたらしうるのか。