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400年ぶりに書きかわる世界の「OS」:ブロックチェーンは大いなる変化の序章にすぎない #wiredcon

WIRED.jp 9/25(日) 12:30配信

「ブロックチェーンのような分散型台帳によって変わるのは、金融だけではありません。わたしたちの社会の根底にある貨幣経済システムから、全て変わってしまうんです」

10月11日(火)に発売される『WIRED』VOL.25上で、ブロックチェーンによってどう社会が変わるか予想し、「WIRED CONFERENCE 2016」でも自身の考える「オルタナティヴ」な未来を語ってくれる慶應義塾大学SFC研究所の斉藤賢爾。彼はブロックチェーンが改善され正しく機能すれば、この社会を支えているシステムは全くの別物になってしまうと語る。そしてその鍵となるのが「分散型台帳」という技術だ。

ブロックチェーンや分散型台帳によってもたらされる「オルタナティヴ」な未来について考えるためには、ブロックチェーンがどのようなものか理解するだけでなく、ぼくらの社会がどのようなシステムによって成り立っているのか理解しておく必要があるだろう。斉藤が語ってくれた言葉のなかには、この社会を支えるシステムと、これからやってくる新しいシステムについて考えるヒントがたくさん隠されていた。

▼400年間続いてきた貨幣経済というシステム

われわれの社会の根底には貨幣経済システムがある。その影響は経済だけに留まらず、政府なども含めた全てが貨幣経済システムのうえに成り立っている。そしてわれわれの活動の目に見えやすい部分は、貨幣経済システム上で行われている。斉藤はこの状況を踏まえ、貨幣経済は“現代社会のOS(オペレーティングシステム)”なのだと話す。

では、一体いつからわれわれのOSは貨幣経済システムになったのだろうか。斉藤によれば、それは約400年前に起きた東インド会社をはじめとする株式会社の誕生や、さらにはその基礎を生み出すに至った活版印刷技術の誕生まで遡ることができるという。

ルネサンス三大発明のひとつとされる活版印刷技術は情報革命を起こし、科学の発展を促した。例えば著作権のような、現代のわれわれにとっては当たり前に思われるものも、活版印刷により情報を複製するコストが下がったことで生まれてきた概念だ。そして、同じものを大量に複製するという考え方は現代の大量生産・大量消費の基礎でもある。そうして株式会社や中央銀行のようなものが生まれ、産業化を経て出来上がった近代社会が、いまわれわれが生きている現代の社会へとつながっているのだ。

「新しく生まれた技術が、従来の技術による効果を否定してあたかも逆行しているようにみえることがあります。インターネットも同様で、活版印刷のような正確さで情報を複製するというより、写本のように曖昧な複製を生み出しているところがある。時代の流れをひっくり返しているのがいまの技術で、ブロックチェーンのような分散型台帳もそのひとつです」

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最終更新:9/25(日) 12:30

WIRED.jp

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