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アンガスビーフ肩ロースが100g187円!驚異の低価格で勝負する西友の生鮮食品戦略

@DIME 9/25(日) 16:10配信

◆米国ウォルマートのスケールメリットやグローバル調達網をフル活用

 西友の生鮮食品事業戦略についての記者発表会が開催され、生鮮食品事業責任者のウォーリー・ボッケル氏より、さまざまな施策や取り組みが発表された。ボッケル氏は2014年5月まで日本で直輸入分野の食品を担当した後、ウォルマート・カナダに渡り、商品本部のシニアプロダクトマネージャーを約2年勤めて日本に戻ってきた。日本で培った直輸入ビジネスのノウハウ、海外の好事例を肌で感じてきた経験から、西友の生鮮食品のさらなる強化に取り組んでいる。

 2014年4月からスタートした「生鮮食品 満足保証プログラム」では、調達、物流、店舗での鮮度管理までの各プロセスを強化して、品質や鮮度の大幅な改善を行ってきた。昨年の2015年はプログラムをさらに強化し、アメリカ産豚肉の直輸入スキームを導入。その結果価格を引き下げることができ、売上が前年と比べ1.5倍に伸びたアイテムも出てきた。

 物流は品質管理のチームを各物流管理センターに配置し、店舗だけでなく配送センターでの品質管理を強化した。店舗においては、鮮度チェックプログラムを実施して、店舗における鮮度チェックのチームが日々、特に生鮮食品の売り場で販売に相応しくない商品があればチェックし撤去する。

 このような取り組みの結果、2015年度は生鮮食品のカテゴリーにおいて前年比約6.5%増の売上を達成。毎月行っている顧客への満足度店頭調査でも、食品の鮮度への評価が77.4%という過去最高水準に達した。

 約2年ぶりに日本に戻ってきたボッケル氏は、日本の消費者が鮮度や品質にますますシビアになっていると日々実感しているという。今後も調達、物流、店舗の3つの柱はさらに強化していくが、商品戦略はシンプルな方法を取るとのことで着目したのが「精肉」だ。

 外部の調査機関が行った調査では、スーパーで立ち寄ることの多いコーナーのランキングにおいて、30以上の売り場カテゴリーのうち上位3位が、野菜青果、精肉、鮮魚の順番でいずれも生鮮食品だった。調査から毎日の食材に肉を選ぶ消費者が多いことが判明し、ニーズに応えるべく期待値が非常に高い肉に注力した。

 西友では数年前から牛肉の直輸入のスキームを立ち上げ強化している。その後豚肉に応用するなど、低価格で肉の販売に注力してきた結果、西友は肉が安いという顧客からの支持を得ている。その反面、商品に対する消費者の目が厳しくなっており、低価格に加え品質に対する期待も非常に高くなっている。その中で着目したのが、品質の高さで知られるアメリカ産アンガスビーフ。米国農務省が設定した品質基準では、アメリカンビーフの品質は、アンガスビーフを含めるブランド牛と交雑種のカテゴリーがあり、それぞれにセレクト、チョイス、プライムの三段階の格付けがある。西友では今まで交雑種のチョイスを扱っていたが、今回はアンガスビーフでチョイスの中でもプライムに近いクラスの肉を仕入れ、従来と同じ価格の肩ロース100g・187円で販売を開始した。

 アンガスビーフは格式のあるホテルで採用されるなど高級イメージがあり、近年日本で赤身肉のブームもあり、ファミリーレストラン、外資系のハンバーガーチェーンなどでプチ贅沢メニューとして使用されるなど注目のアイテム。全国342店舗とネットスーパー「SEIYUドットコム」で発売し、このクラスの肉を毎日同じ価格で、全国レベルで提供できるのは西友のみとなっている。

 これだけの肉を提供できる理由は、グループ会社の米国ウォルマートのスケールメリットだ。西友はウォルマートと同じ取引先、同じテーブルで交渉しており、物流コストを最小限に抑えることができるのもウォルマートの一員として他社にはまねができないことだとボッケル氏は話す。

 9月から肩ロースステーキ、10月からはアンガスビーフの肩ロースブロックも発売予定。品質の高さとおいしさを周知させるために、商品パッケージにアンガスビーフ専用のシールを貼って提供。アンガスビーフをきっかけとして、牛肉の売上を今年は10%伸ばす計画を持っているという。

 青果でもウォルマートのグローバル調達網を活用。今年、バナナはフィリピン産の不作もあり一時期品薄の状況が発生した。バックアップとしてウォルマートの調達網を活用しエクアドル産のバナナを十分の量で確保。相場はまだ上がっている中、西友はバナナの低価格を維持している。

 グレープフルーツも顧客のニーズが高いアイテムだが、西友は青果としては初めての試みとして日本からグローバル入札に参加した。グローバル入札とは世界中のグレープフルーツのサプライヤーを集まり行う入札の仕組みでオークションに似たようなスタイル。今後はグローバル入札を経たグレープフルーツを低価格で販売予定だ。

◆鮮度に対する満足度を向上する「Alive@5」について

 米国ウォルマートでも数年前から生鮮食品で取り入れているプログラムで実績もある取り組みが「Alive@5」。生鮮食品が最も売れる夕方にターゲットを置き、鮮度感のあるパーフェクトな売り場を作り、顧客の鮮度に対する満足を向上させるというもので、夕方5時に売場を再生、リオープンするという考え方だ。

○課題点の可視化
 毎日午後5時と午後7時に徹底的に品出しをしてそこで写真を撮り、翌日に生鮮の売り場を担当する全従業員に内容を共有、前日のピークはどのようなコンディションだったのかを確認して、それをもとに売場のコンディションを改善する。

○夕方シフトの強化
 夕刻時のシフト強化でカギを握る売り場のマネージャーを週に1~2回夕方のシフトに入れ、顧客の状況や売り場のコンディションを直接見るようにする。マネージャーが1日のスケジュールを夕方に向けて調整することで、時間別に必要な人員を適切に配置でき、全体のシフトが夕方に向けての強化できるようにする。従業員が複数の売り場を担当することがあるが、ピーク時に生鮮売り場にサポートが必要なら別の売り場の従業員を回すなど、マネージャーが司令塔の役割となり調整する。

 全社員に徹底させるには難易度の高い取り組みだったのことで、従業員の一人一人が確実に毎日やるべきことを行うのが非常に重要とボッケル氏は話す。5月から関東を中心に4店舗でテスト導入したが、パイロット店舗の7割以上で売上が伸びた。中には2桁成長した店舗もあったという。改善の余地が高かった店舗が「Alive@5」の導入で顧客からの評価が上がり、こうした成果を受け9月から全国の店舗で導入している。

 西友ではこれらの取り組みを踏まえて、2018年までには2015年対比で売上を2桁増まで引き上げることを目指している。

【AJの読み】消費者は価格だけではなく、品揃え、品質の良し悪しをしっかりと見ている

 1年半ほど前に今の場所に越してきたが、駅から離れているためか周辺にスーパーが1か所しかなく、以前の場所に比べて食品を買うスーパーの選択肢が狭くなったことにストレスを感じている。そのスーパーは大手だが、自分が買い物に行く夕方6時過ぎになると野菜の欠品が増え、7時を過ぎるとじゃがいもやにんじんといった基本の野菜がないこともありカレーさえ作れない。野菜の鮮度も決して良いと言えず、店に要望を伝えたが、いまだに改善されている様子は見られない。仕方なく仕事帰りにいくつかある駅の近くのスーパーで購入するが、仕事の荷物と買い物の荷物を持って15分以上歩くのはきついので結局、バスを使うことに。

 消費者は価格だけでなく、品揃え、品質の良し悪しを常に細かくチェックしている。西友は以前から使っており、品揃え、鮮度、価格に納得している。今回の発表内容でも常に改善、改革に前向きであることがうかがえた。しかし西友の最寄り店は遠いため、今はネットスーパーの「SEIYUドットコム」を利用。以前は週1回だったが、近所のスーパーでなるべく購入したくないので、現在は週2回の頻度でまとめ買いをしている。

 会見場で試食したアンガスビーフは柔らかくうまみもあり、家庭で食べるステーキとしては申し分ない。300g1枚で税込600円強なので、プチ贅沢としては外食よりも安上がり。

 アンガスビーフは「SEIYUドットコム」でも販売しているので、次回ぜひ購入してみたい。

 試食の際に味付けされていた「モランボン シーズニングスパイス 10g」もおいしかったので同時購入したかったが、こちらは一部の店舗のみの扱いとのことで「SEIYUドットコム」では買えなかったのが残念。牛肉のカテゴリーのページで関連する商品の売り場も表示されるが、アンガスビーフの素材のうまみを味わうため、たれ系だけでなくシーズニングスパイス系も用意してくれたらうれしいのだが。

文/阿部 純子

@DIME編集部

最終更新:9/25(日) 16:10

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