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『ザ・ビートルズ』監督インタビュー公開 制作秘話やビートルズの偉大さを語る

リアルサウンド 9/25(日) 15:33配信

 ザ・ビートルズのドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』より、ロン・ハワード監督のインタビューが公開された。

 本作は、ポール・マッカートニーやリンゴ・スターの存命メンバーをはじめ、当時の関係者の協力を得て制作されたザ・ビートルズの公式ドキュメンタリー。63年から始まった15カ国90都市166公演に及ぶツアーの模様が、世界中から集めた未公開映像やメンバーのプライベートコレクション、ザ・ビートルズにゆかりのある著名人インタビューと共に映し出されていく。

 監督のロン・ハワードは、本作を制作するにあたってツアーに焦点を置いたことを、ザ・ビートルズからのアイデアであることを明かしている。「ツアーに焦点を置くのはザ・ビートルズのアイデアだったんだけど、バンドを掘り下げるにはいい方法だと思ったんだ。こうすることによって、冒険ものみたいな形式の映画になるからね。僕がこの映画に本当に求めたのは、ザ・ビートルズがまだ健在だった頃を観客に体感してもらうこと、そして、映画自体に物語性を持たせることで、ビートルマニアが誕生する前の彼らはどのようなバンドだったのか、人気が高まるにつれ彼らはどう変わっていったのか、アーティストとしても個人としてもどう成長したのか、そしてこの世界の文化はどう変化していったのか、それらを伝えることだったんだ」

 また、ウーピー・ゴールドバーグやエルヴィス・コステロらの貴重なインタビューについては、「映画の中ではたくさんの貴重なインタビューを紹介する。そのうちのいくつかは、ほとんど偶然得られたものなんだ。僕はウーピー・ゴールドバーグが司会を務めるトーク・ショー『ザ・ビュー』に、ゲスト出演したんだけど、その時舞台裏で、ウーピーに最近は他にどんな仕事をしてるのかと聞かれて、ザ・ビートルズのドキュメンタリーの編集をしてるって答えたんだ。そうしたら彼女は子供時代の個人的な思い出を話してくれた。シェイ・スタジアムでのライブに行って、それが彼女にとって大事な思い出かということをね。話が終わった時、僕は「申し訳ないけど、今、カメラを回してなかった! もう一度、カメラの前で話してくれない?」って聞いたら、彼女は「もちろん!」と答えてくれた」と語る。

 続けて制作の過程で驚くことがあったと述べ、「僕が本当に驚いたことがあるとしたら、または恐らく僕にインスピレーションを与えたものを挙げるなら、ザ・ビートルズが貫き通した、他の何にも左右されないクリエイターとしての高潔さだね。もちろん彼らはプライベートにおいても非常に誇り高い人間だったと思う。でも音楽制作の面で、より優れたものを作ろうと献身するその姿勢は、より一層驚愕に値するものだ。僕は本当に尊敬するよ。それから、激しい批判の目にもさらされながら、世界中をツアーし、人々の注目を一身に浴びる中で、アーティストとして成長していったその才能にも脱帽だよ」と彼らを賞賛している。

 さらにロンは、本作の制作を経て人種差別に対するザ・ビートルズのスタンスを知ったと語る。「僕は、最初に物議を醸したザ・ビートルズの政治的スタンスがベトナム戦争のことじゃなくて、南部における人種差別に関するものだったことを、この映画に携わるまで知らなかったんだ。フロリダ州のジャクソンビルでライブを行った時、席が人種によってすみ分けられていることに気づいたザ・ビートルズは、演奏するのを拒否した。さらに彼らは、「観客が人種によってすみ分けられている会場では演奏しない」という条項を契約書に取り入れたんだ。人種差別なんて、彼らにとってはバカげたことだった。ザ・ビートルズは、人種差別問題が当時のアメリカ、特に60年代のアメリカでどれほど議論が過熱した問題だったか、まったく知らなかったんだよ。でも彼らにとって答えは明白だから、その信念に従った立場をとった。そして驚くことに、そのコンサートでは人種による席分けをなくしたんだ」

 この映画に望むことを聞かれたロンは、「観客がこの作品を見て、すばらしく充実した時間を過ごしてくれて、ザ・ビートルズの旅路をまるで冒険物語のように感じてくれたら本望だ。観客の思い出を呼び覚ましながら、また新たな情報を伝えることができたら何よりだと思う。更に観客には、この作品を気に入ってもらいたいし、深く掘り下げてほしいとも思ってるんだ。なぜなら、僕がこの作品に不満があるとしたら、物語として見てもためになったり、こっけいだったり、興味深かったりする話なのに、追うべき物語がとても多くて、尺の都合でカットしなきゃいけなかったことだからね。だから、この映画をきっかけに、人々がもっとザ・ビートルズの音楽を聴いたり、いろんなエピソードを詳しく調べたりして、アーティストとしての彼ら、そして彼らが世界一のバンドだった時代をもっと理解してくれたらうれしいよ」とコメントしている。

リアルサウンド編集部

最終更新:9/25(日) 15:33

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