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ジェイ・Z、麻薬戦争の失敗を解説したアニメーション動画を公開

ローリングストーン日本版 9/25(日) 11:00配信

ジェイ・Zが、必要的最低量刑制度と不当な法律の施行から合法化による利益の偏在まで、年代順に麻薬戦争の失敗を指摘。

【動画あり】ジェイ・Z、麻薬戦争の失敗を解説したアニメーション動画を公開

ジェイ・Zが、モリー・クラブアップルがイラストを手掛けたニューヨーク・タイムズ紙のOp-edの動画で、麻薬戦争が「大失敗」だったと指摘した。

動画は、ロナルド・レーガンの元に急速に推し進められた、80年代以降の麻薬戦争の短いながらも悲惨な歴史を辿っている。ジェイ・Zは、社会のセーフティ・ネットが遮断され、学校への資金援助が打ち切られ、仕事が取り上げられ、富がさらに集中した状況だったにもかかわらず、麻薬とその売人が市街地のコミュニティを破滅した唯一の原因と判断されていたことを説明する。

「麻薬を売っていた俺みたいな若い男たちが悪人になって、麻薬中毒者が精神的に弱い者になったのです。90年代になると、アメリカでの受刑率は爆発的に上昇しました。今日のアメリカの受刑者数は、独裁的で圧政的な国として挙げられる、中国、ロシア、イラン、キューバといった国を含む世界のどの国よりも多いのです」

またジェイ・Zは、黒人とラテン・アメリカ人ばかりに影響した必要的最低量刑制度と、麻薬を取り締まる法律の内容やその施行のされ方に深く根付く人種差別についても言及している。動画は、より中毒性の高い薬物への依存が健康危機であることを指摘するなど、近年の麻薬戦争に闘うための取り組みに触れる一方で、コロラド州などの州における利益を生み出すマリファナの合法化でさえ、失敗に終わった麻薬に関する政策にまみれていると説明する。

「投資家がそういった州に移動して、数十億ドル規模のビジネスを展開する一方で、元重罪犯罪者は調剤薬局を開くことができないのです。そのほとんどは、貧しい人々が生活のために薬物を売ったことによる、麻薬絡みの罪なのです。しかし彼らは今、最も急速に成長している経済活動の一つへの参加を禁じられています」

この麻薬の時代の名残は、現在も残っている。ジェイ・Zは、「コロンビアの大学生」に比べて、はるかに多くのニューヨークの黒人とラテン・アメリカ人の若者が、マリファナの所持で召喚状を受け取っていることを指摘する。コロンビアの大学生のマリファナの使用量が、ニューヨークの若者の使用量と同じ、もしくは多いにもかかわらずだ。「薬物の使用率は、1971年にニクソンがこの戦争を宣言した時と同じくらい、高くなっているのです」。ジェイ・Zは、クラブアップルが薬物乱用に取り組んできた歴代大統領から成るラシュモア山を描く中、こう話す。「45年後の今こそ、政策と法律を見直す時なのです。麻薬戦争は、大失敗と言えるのです」

Translation by Miori Aien

JON BLISTEIN

最終更新:9/25(日) 11:00

ローリングストーン日本版

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