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アメリカの「カップヌードル」、レシピ大幅改良の背景に健康志向の高まり

HARBOR BUSINESS Online 9/25(日) 9:10配信

 カップヌードルは、9月18日に、日本では発売45周年を迎えた。

 その記念日に先立つ9月15日(米国時間)に、日清食品は、米国で販売しているカップヌードル、「CUP NOODLES」に関して、レシピを初めて大幅に改良したと発表した。(参照「”Nissin Foods USA Makes a Historic Recipe Change to Improve its Iconic Cup Noodles Product Lineup”※英語/pdf)

 米国の消費者が健康志向を高めていることを受けて、従来品より減塩するなど、中国と並んでカップ麺の人気が高い米国での販売拡大を狙う。今回の米国「CUP NOODLES」のレシピ変更は、事前の消費者アンケート調査に基づき、要望の多かった内容を反映したとしている。

◆米国でのカップヌードル

 日清食品の創業者である安藤百福氏(故人)がチキンラーメンおよびカップヌードルを開発した。開発の着想を得たのは、米国ロサンゼルス滞在中に、スーパーのバイヤーが紙コップに「チキンラーメン」を2つに割り入れて試食している場面を目撃したことからであった。(参照「アメリカ日清」)

 米国西海岸から「CUP NOODLES」は販売開始され、東洋人系から徐々に白人、黒人、メキシコ系移民などへと広がっていった。しょうゆ味でスタートしたが、1年後には米国人の好みを取り入れビーフ、チキン、ポークの3種類を追加した。ロサンゼルスで女性雑誌に広告を出し、テレビ宣伝、消費者を集めてのモニター調査も展開し、商品のアピール方法と消費者の嗜好を徹底的に調査した。成長期にあったスープ市場で、「CUP NOODLES」を販売したという。現在、米国では「チキン」「シュリンプ」「ビーフ」といった味付けの8種類が展開されている。

◆健康志向の高まりを受けてのリニューアル

 米国では、2~19歳の31.7%が肥満とされており、健康志向の要請が強い。2010年2月、子どもの肥満防止キャンペーン「Let’s Move!」が、ミシェル・オバマ大統領夫人の呼び掛けで始まった。2030年までに、肥満の子どもを1970年代の5%まで引き下げることを目標に掲げている。(参照「Let’s Move.org」)

 肥満は糖分摂取と関係するが、問題なのは肥満だけではない。塩分の過剰摂取も問題として挙げられている。2016年6月1日、FDA(米国食品医薬品局)は、食品業界のための自主的なナトリウムの削減目標ガイダンス案を発表した。(参照「FDA」)

 ガイダンス案では米国人のナトリウム摂取量は1日あたり3400mgだが、これを2000mg未満にするように推奨されている。

 ナトリウム、すなわち、塩分の採り過ぎは、高血圧の原因とされているのは広く知られているが、いまや米国人の3人に1人が高血圧である。高血圧は心臓病や脳卒中の主要危険因子となるとされており、今後10年間に米国民のナトリウム摂取量を40%減らせば、50万人以上の死亡が回避でき、1000億円ドルの医療費削減につながると説明されている。

◆米国版「カップヌードル」はどう変わる?

 こうした背景を受けて、米国版の「CUP NOODLES」はよく売れる3フレーバーについては20%の減塩、全フレーバーでも約15%減塩するという。また、人工のMSG(いわゆるうま味調味料)を除外し、しゅうゆ、トマト、赤唐辛子のような自然由来のグルタミン酸を少量入れるとしている。

 また、人工香料も除外して、ターメリック、パプリカ、ライムなど自然由来の成分を加えるという。

 レシピ大幅変更後の消費者の反応について、アメリカ日清は、After a series of blind taste tests with people who frequently consume the product, results revealed that consumers liked the new version of Cup Noodles just as much as the current.”(カップ麺を頻繁に消費する人々を対象とする一連のブラインドテストの後、テスト結果は、消費者が現行のものと同様に、新しいバージョンのカップヌードルを好むことを示した)としている。

 米国では、消費者の健康志向に対応した商品は売上を伸ばす傾向にあるが、「CUP NOODLES」のレシピ変更は業績向上に寄与するだろうか?

<文/丹羽唯一朗>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9/25(日) 9:10

HARBOR BUSINESS Online