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野外のネコは排除されるべきか、米で議論

ナショナル ジオグラフィック日本版 9/26(月) 7:20配信

書籍『Cat Wars』をきっかけに野外に暮らすネコの問題を考える

 野外を自由気ままに歩き回る飼いネコやノラネコが、鳥をはじめとする野生生物にとって多大なる脅威になっているとして、これらの「外ネコ」を完全に排除すべきだという大胆な意見がある。

【動画】屋外でネコたちは何をしているのだろうか。ネコカメラで追跡した。(動画はリンク先の中段にあります)

 その意見を代表するのが、このほど米国で発行された書籍『Cat Wars(ネコ戦争)』(Princeton University Press)だ。著者はスミソニアン渡り鳥センター長のピーター・マラ氏と作家のクリス・サンテラ氏。どちらかというと学術専門書に近い内容で、野外にいるネコを捕まえて避妊手術を施してから野生に戻すという、米国で現在広く行われている活動を批判し、根本的な問題解決を図るにはあらゆる手段を講じるべきと訴える。ネコの数が増えすぎて画期的な打開策もない現状では、安楽死をはじめあらゆる選択肢を検討すべきというのだ。

 これが、一部のネコ保護活動家たちを激高させている。

「あらゆる手段で排除」の意図

 本書は冒頭で、19世紀後半にニュージーランド沖のスティーブンス島で、人が持ち込んだネコがその島固有の希少な鳥スティーブンイワサザイを絶滅に追いやったとされるエピソードを紹介し、「これまで多くの野生生物保護家が抱いてきた疑念を裏付ける科学的証拠が次々に上がっている。野外を自由に歩き回るネコたちが、膨大な数の鳥や野生動物を殺しているという事実だ」と書いている。

「保全生態学の観点から、最も望ましい解決法は明らか。あらゆる手段を講じて、外ネコを野外から完全に排除することだ」と、著者らは主張する。

 外ネコとは、著者らによると、野生化したネコ(野ネコ)だけでなく外飼いのペットを含む全てのイエネコのことをいう(柵に囲まれた庭から出ないネコや、その他何らかの方法によって広範囲に出歩くことのないネコを除く)。ただし、外ネコのあまりの数の多さから「あらゆる手段を講じて」というのが現実的ではないことも理解した上での発言だ。

 そうだとしても、この一文に猛反発する人々は少なくない。

 米コロラド大学の生態学名誉教授マーク・べコフ氏は米ハフィントンポストに寄稿して「著者らは、穏やかな方法でネコたちを取り除こうというのでも、安楽死を推奨しているわけでもない」と書いた。

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最終更新:9/26(月) 7:20

ナショナル ジオグラフィック日本版

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