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大坂なおみ、弱点克服で「超高速サーブ」がズバズバ決まった

webスポルティーバ 9/26(月) 20:20配信

 日本最大のテニス専用スタジアム「有明コロシアム」に“戻ってくる”と、彼女は“ノスタルジック”な想いに襲われるのだと言う。

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「ここは他のコートに比べて、もう何度もプレーしている。日本人のお客さんがたくさん来て私を応援してくれるのも、すごく嬉しい」

 スタジアムについて語るとき、本人いわく「生まれつき動きにくい」はずの口角がキュッと上がり、目じりがさらにスルリと下がる。

 両親にも「有明コロシアムは私のホーム」と宣言しているほどに想い入れの強い地で、大坂なおみは、自身初となるWTAツアー決勝の舞台(東レ パン・パシフィック・オープン)まで駆け上がった。

 戻るたびに郷愁を覚えるスタジアムではあるが、今大会でコートに立つ大坂が胸に抱いていたのは、ノスタルジーではなく、過去から学んだ教訓であり、試合で示したのは、課題を克服した姿である。

 本人の成長、過去の悪夢からの脱却、そしてチームとしての総合力――。それらすべてをコート上に描き切った今大会最高の一戦は、2回戦の対ドミニカ・チブルコワ(スロバキア)戦だ。

 チブルコワは今季のウインブルドンでベスト8入りし、8月にはトップ10にも返り咲いた実力者。身長は160センチと低いが、それを補う俊足と、いかなる状況でも最後まであきらめずボールを追う闘争心の持ち主だ。その世界12位の小さなファイター相手に、大坂は完璧とも言える「プラン」を用意し、コートに立っていた。

 その最たるものが、“サーブ”である。大坂といえば、先の全米オープンで最速201キロを叩き出した「超高速サーブ」が代名詞。しかし一方で、安定感に欠き、セカンドサーブになるとスピードが落ち、コースも甘くなる傾向がある。

 その弱点を克服すべく、チブルコワ戦での大坂は、試合前に打つべきサーブコース等のシミュレーションを行なったという。指南役となったのは、この夏から日本テニス協会女子ナショナルチームのコーチングスタッフに加わった、デイビッド・テイラーだ。オーストラリア女子代表チームの監督や、2011年全米優勝者のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)ら多数のトップ選手のコーチを歴任してきたテイラーは、大坂に「この状況では、どこにサーブを打つべきか」という問答を繰り返し、解を見つけられるよう導いていったという。

 結果、チブルコワ戦の大坂は、セカンドサーブからでも64%の高確率でポイントを獲得。安定したサーブが試合を支配する手綱となり、第1セットを6-2で奪うと、第2セットも5-1と大きくリードした。

 しかし、勝利まであと1ゲームと迫ったこの場面で、最大の試練が彼女を襲う――。

「5-1までは緊張もなくプレーできたけれど、そこでUSオープンのひどい悪夢がフラッシュバックしちゃって……」

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最終更新:9/27(火) 15:53

webスポルティーバ

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