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離婚、解雇、パートナー解消…人間関係崩壊の予兆は4年前から微表情に表れる

HARBOR BUSINESS Online 9/26(月) 16:20配信

 みなさん、こんにちは。空気を読むを科学する研究所代表取締役の清水建二です。

 本日は、関係性崩壊の予兆を示す微表情についてご紹介したいと思います。

⇒【画像】夫婦喧嘩の表情画像

 夫婦喧嘩の際にある表情が観られると離婚につながる可能性が高いことが知られています。それは以下のどの表情だと思いますか?(解答は本文の最後を見て下さい。)

◆4年後に90%が離婚する表情!

 離婚というものは、あらゆる強いネガティブな感情が様々なプロセスを経て繋がる可能性があるものです。そのため相手の全てのネガティブ表情や抑制された無意識の表情である微表情に注意を払い、その意味を考えることが大切であることは言うまでもありません。

 しかし、家族心理の研究で有名なゴットマン博士の研究によれば、夫婦ケンカの際にある表情が観察されると、その4年後には90%の夫婦が離婚することがわかっています。

 その表情とは、「軽蔑」と「嫌悪」です。特に男性には軽蔑の表情が多く、女性には嫌悪の表情が多く観察される傾向にあると言います。

 なぜ「軽蔑」と「嫌悪」が離婚につながる危険な表情なのでしょうか?

 ゴットマン博士は、夫婦ゲンカの時に配偶者が「怒り」を見せても安全だと言います。「怒り」を見せることは激しい感情を表出する一形態に過ぎないため、ケンカという状況においてそれは「普通」の行為だからです。しかし、相手を見下す感情である「軽蔑」や相手を拒絶する感情である「嫌悪」は、愛情にとって必要不可欠な肯定的感情や思いやりの感情を阻害してしまい、離婚を予測する指標になると説明しています。

◆「軽蔑」と「嫌悪」はコミュニケーションを阻害する

 この離婚の予兆を示す表情研究の結果は、あらゆる関係性の崩壊予測にも援用することができると思います。

 怒りという感情は「障害の除去」という行動に向かいます。夫婦間含め、あらゆるパートナー間で起こるお互いの「意見の食い違い」=「障害」を除去しようとするからこそ、怒りという感情が起こり、怒りのパワーを用いて、コミュニケーションを続けようとします。しかし、軽蔑や嫌悪という感情を抱いてしまうとコミュニケーションの断絶が起きてしまいます。

 軽蔑がコミュニケーションの場で生じると、軽蔑を抱いた方は相手を対等な立場とはみなさなくなり、相手が下手に出ない限り、相手の話をまともに聞かなくなります。ケンカや言い争い、マイルドなところでは意見の調整というコミュニケーションがまともにできなくなります。嫌悪は「不快なモノの除去」という行動に向かいます。コミュニケーション=不快となり、「口もききたくない」という状態になってしまうのです。

◆関係性崩壊の予兆を感じたらしたいこと

 特に軽蔑という感情が起こると、関係性を維持するためには脅威となります。

 夫婦間関係や恋人関係だけでなく、仕事上の労使関係や委託関係など、パートナー関係を結ぶということは、相手の性格や能力などに一定の敬意の念を抱いているからこそ成立するものだと考えられます。しかし、軽蔑という感情は、人に優越感を感じたり、人を道徳的に見下すことで生じます。

 もしケンカや言い争い、意見の食い違いの際に、相手を道徳的な観点から見下し始めた場合、相手を「道徳的に自分より下に置く」という心性が生じます。この心性は、放置しておくとずっと残り続けます。そうなると、相手に対する敬意がなくなり、関係性の崩壊という結末に向かってしまいかねないのです。

 一番問題なのは、相手の軽蔑と嫌悪表情(微表情の場合もあります)に気付かない、ということです。

 相手の感情変化に気付けなければ対処のしようがありません。「雨降って地固まる」というように、ケンカや意見の食い違いを経験したからこそ、仲がより深まるということもあります。

 ケンカや意見のぶつけ合いという我のぶつかり合いのときこそ、自他の感情の流れをロジカルに捉え、自他の我を見つめ、関係性を続けるべきなのか・やめるべきなのかを客観的に考えてみてはいかがでしょうか?

【解答・解説】

正解は、①と④です。

それぞれの表情解説は以下の通りです。

①軽蔑…左の口角が右の口角に比べて高く引き上げられています。

②悲しみ…眉の内側が引き上がり、口角が引き下げられています。

③怒り…眉が引き下がり、唇が上下からプレスされています。

④嫌悪…上唇が引き上がり、ホウレイセンが釣鐘型をしています。

※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

参考文献

ジョン・M・ゴットマン/ナン・シルバー著 松浦秀明訳(2007)『結婚生活を成功させる七つの原則』第三文明社

Carrere, S.; Buehlman, K. T., Gottman, J. M., Coan, J. A., & Ruckstuhl, L. (2000). “Predicting marital stability and divorce in newlywed couples”. Journal of Family Psychology 14 (1): 42–58.

【清水建二】

株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でコミュニケーション学を学ぶ。学際情報学修士。 日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、日本ではまだ浸透していない微表情・表情の魅力、実用例を広めるべく企業コンサルタント、微表情商品開発、セミナー等の活動をしている。また、政治家や芸能人の微表情を読んで心理分析するなど、メディア出演の実績も多数ある。著書に『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。

<文/清水建二・写真/PIXTA>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9/27(火) 12:45

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