ここから本文です

【MLB】前田健太がツーシーム、カーブを多投した理由。球種構成の変化に見る適応力の高さ

ベースボールチャンネル 9/27(火) 8:00配信

フォーシームが減った今季の前田

 現地時間9月25日、ドジャースは4年連続となる地区優勝を決めた。今季のドジャースは先発投手に故障者が続出したが、その中できっちりローテーションを守り続けた前田健太は大きく貢献したと言えるだろう。

 初年度からの大活躍の要因としては、故障なく健康体で過ごせたことが一番だが、NPBとは異なる環境やプレーヤースタイルにうまく適応してきたことも見逃せない。セイバー系サイトの総本山とも言える『ファングラフズ』は、イノ・サリス記者による「前田健太の過去、そして現在」というコラムで、球種構成の変化を例に彼の適応能力の高さを紹介している。

 そこでは、「日本時代は、フォーシーム&スライダーの投手だったが、アメリカではフォーシームが減り、ツーシームが増え、スライダーの代わりにカーブを多用している」ことが、日米での球種構成データを引用しながら分析している。

 フォーシームからツーシームへの移行は、ボールの違いに対応したものだそうだ。

“Seams are higher,” Maeda himself told me this past June. “More movement on the two-seamer and the break on my changeup is a little bit more than it was in Japan.”
縫い目が(アメリカのボールのほうが)高いんですよ。前田は6月に私に直接こう言ってくれた。「ツーシームの変化やチェンジアップの落差は、日本で投げていた頃よりやや大きいですね」

 要するに、より威力が大きいと思われる球種の頻度が増しているということだ。

「マエケン体操」は変えず

 カーブの多用の理由について、前田は以下のように説明している。

But it’s not because of the seams. Or maybe it is, but only indirectly. “With the slider, I’ve had a little bit harder time with the break,” Maeda admits. “But the curveball is the same.”
それは、縫い目(の高さ)の違いゆえではないようだ。仮にそうだったとしても間接的なものだ。「スライダーは日本でのようには曲がってくれない」と前田は認めている一方で、「しかし、カーブの場合は同じ変化が得られる」と話している。

 ここで、サリスは興味深いデータを紹介している。
 少なくとも、コンピューター解析の結果では、前田のカーブは他投手のそれと比較し、空振りが取れる率もゴロ打球の率も低い。言い換えれば、それほど有効な球種とは判断できない。

 一方では、前田のカーブはストライクゾーンに投げ込まれた場合、打者に見逃される率がメジャー全体で5番目に高いという。
 それが、意図したものかどうかは定かではないが、前田にとってカーブはカウントを整える役割の球種になっているのだ。

 日本のプロ野球とメジャーとの間に、少なからず違いが存在することは確かだ。それは、ここで取り上げたボールの違いのようなハードの部分だけではなく、登板間隔や調整方法など多岐に渡る。

 過去、この違いへの適応に苦しんだ日本人選手も存在したが、前田の場合はうまくクリアしたようだ。しかし、適応するだけでなく、どこに行っても変わらぬ自分流もちゃんと確保している。そんなものの一つに、サリスはあのユニークな「マエケン体操」を挙げている。

But that wild pre-game windmill ritual?
“Just part of my warmup and preparation.” And that’s one part of his game that hasn’t changed.
登板前に腕をぐるぐる回すこのワイルドな儀式もそうなのだろうか。「単なるウォームアップのひとつですよ」。これもどこでプレーしても変わることがない彼のスタイルのひとつだ。

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:9/27(火) 8:00

ベースボールチャンネル

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。