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BUCK-TICKが語る、通算20作目のアルバム 『アトム 未来派 No.9 』

ローリングストーン日本版 9/27(火) 18:00配信

BUCK-TICKの今井寿(Gt.)と櫻井敦司(Vo.)、通算20作目、古巣ビクターへの復帰第1弾アルバム『アトム 未来派 No.9』を語る。

【写真あり】BUCK-TICKが語る、通算20作目のアルバム 『アトム 未来派 No.9 』

「いろんな解釈ができる、"隙"がある作品になった」

通算20作目、古巣ビクターへの復帰第1弾アルバム『アトム 未来派 No.9』。
そのタイトルとアートワークから連想されるイメージがさまざまな憶測を呼び、発表直後から騒然となっているそうだ。BUCK-TICKにとって今作はどのような意味を持つものなのか、その真相を知るべく今井寿(Gt.)と櫻井敦司(Vo.)に話を聞いた。

―今回のアルバム、僕はかなりやられました。ジェットコースター的な面白さがあり、また各曲をアルバムタイトルと照らし合わせて聴くといろいろなことが読み取れる感じがして。このタイトルから原子力爆弾と憲法9条が連想されるという意見も多いそうですね。

今井:そういういろんな解釈ができる、"隙"みたいなものがある作品になったとは思います。実際は意味とか思想とか関係なく、言葉のノリとかリズムの感じでつけたんですけどね。意味のない言葉にしたくて、カタカナ、漢字、アルファベット、数字をごちゃごちゃに並べて。あと"あ"から始まって"ん"で終わるとか。

―ああ、なるほど。歌詞のなかの"No.9"も偶然ですか?

櫻井:はい。今井さんのデモから空耳的に"New World""No.◯◯"っていう言葉が浮かんできて。それでシックリくる番号は何だろうって考えたら、"ナンバーナイン" が一番言いやすかったっていう。そうしたら、後からドヴォルザークの新世界、シンフォニー9番。あ、ニューワールド、新世界、9番、何これ! って一人で盛り上がって(笑)。そんなもんですよ。

今井:実際はどうあれ、そこからそれぞれ意味を探したりするのは面白いことですよね。ただ、なかには"政治色をロックに取り入れるな"みたいな意見もあったみたいで。

―その論争、最近他でも話題になりましたよね。それについてはどう考えますか? 

今井:もともとロックって、政治と密接なものじゃないですか。自分たちがそれをやろうとは思わないけど、"持ち込むな"っていうのはちょっと気持ち悪いなと。

櫻井:楽しみ方は人それぞれでしょうけど・・・1つのことに囚われて、つまらない方向ばかりに持っていこうとするのは嫌です。政治だったら政治ばっかりとか。僕自身、音楽に対してそういうメッセージって全然意識していないので。無責任と言ったらそうかもしれないけど、音楽で楽しくなればいいな、くらいしか思ってない。だけど、戦争だけは絶対ダメ、とは思います。

―ついにBUCK-TICKが憲法9条を歌った!と思ったんですけどね(笑)。今回に限らず、デビューから29年間、周りに流されず自分たちのやりたい音を鳴らして書きたいことを書いている稀少な存在だと思うんです。他に迎合することなく独自性を貫いていくというのは、難しいことだと思うのですが。

今井:今回のアルバムもそうですけど、自分たちのやりたいようにやると、他のバンドとは違った音楽になってしまうというか。

―やりたいことをやるということに対する不安は?

今井:ないことはないですけど。結局、やりたいようにやるのが一番健康にいいんですよ(笑)。だから "BUCK-TICKとはこういうバンド"っていうのがない。映画で言うと、スティーヴン・キングってホラー映画から泣ける映画まで、すごく幅広いじゃないですか。いろんな振り幅があっていいと思う。その方が飽きないし。

―20作目のアルバムを作り終えて、BUCKTICKというバンドを今どう捉えていますか?

櫻井:個人的には納得できています。歳をとって作品の枚数を重ねてくと欲も出てくるんですけど、つねに自分に正直に、自分が納得できるようにやってきて、だんだん理想の形に近づけている感じがします。それに、ヒデ(星野英彦/Gt.)もそうだけど、今井さんの曲、やっぱりいいなあって今でも思えるので。それをもっとカッコよくしたいっていう意識は変わらないです。

アトム 未来派 No.9
Lingua Sounda/JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
9月28日発売

BUCK-TICK
バクチク 1987年にメジャーデビュー。1988年にリリースされたシングル『JUST ONE MORE KISS』が第30回日本レコード大賞新人賞を受賞。さらに翌1989年にリリースされたサードアルバム『TABOO』がチャート第1 位を獲得し、名実共にトップアーティストの仲間入りを果たす。2016年9 月、古巣ビクターへの復帰第1 弾としてシングル『New World』、アルバム『アトム 未来派 No.9』をリリース。http://buck-tick.com/

Text by Rika Suzuki [RSJ]

Interview by Joe Yokomizo

最終更新:9/27(火) 18:00

ローリングストーン日本版

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