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核融合炉こそ世界の需要に応える最終の解決策

JBpress 9/27(火) 6:00配信

 日本は「もんじゅ」にこだわり過ぎた。文殊菩薩に肖った名称が廃炉を躊躇させたわけでもなかろうが、関係者、特に文科省には事態を解決して、何としても前に進めたいという熱意がなかったように思える。同時に、米国の政策に左右された面も大きい。

 20年の停滞と1兆円の空費はあまりにも酷い。国際社会の将来予測と原子力についての技術予測が十分できなかったことから来た停滞ではなかったか。

 福島第一原子力発電所事故の後は、原発を推進してきた小泉純一郎元首相までが感情的かつ無責任に原発全廃を主張するなど、少なからず政策決定に悪影響を与え混乱させた。

 しかし、平成26(2014)年末の総選挙で、「原子力は重要なベースロード電源で活用。原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発は再稼働」を公約に掲げた自民党の勝利で、全基停止していた原発が一部で再稼働し始めた。

 東日本大震災直後は深刻なエネルギー不足から計画停電なども行なわれ、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが注目された。その後は、「燃える氷」とも言われるメタンハイドレートなどの新エネルギーの開発にも注力されるようになった。

 いずれにしても、可採期間が有限な化石燃料に代わり、安定的かつ長期にわたり需要を満たし得る原子力エネルギー・サイクルの実用化が不可欠である点に変わりはない。

 これまでは原発問題が、国内の近場のエネルギー需給の視点だけで論議されてきた面は否めない。しかし、原発を含む核エネルギーの論議は、今後の世界人口の増加と、日本が技術立国で行くか否かという基本に立ち返って考える必要がある。

 同時に、原子力は核兵器に関係しており、軍事や安全保障と不可分の技術でもある。日本は非核3原則によって核兵器を製造・保有するわけではないが、日本に対して核兵器が使用された場合は甚大な被害を受ける。

 新しい各種原子炉の開発とともに、廃炉や延命技術、また核兵器に伴う防護法も含めた原子力技術の蓄積こそが技術立国を目指す日本の立ち位置ではないだろうか。原発廃止論者は感情が先に立ち、こうした広い視点を忘れているように思えてならない。

■ 2050年頃の世界

 地球温暖化の抑制と急増するエネルギー需要への当面の対処、そして長期的には急増する人口と開発途上国の文明化への支援という、長短2つの視点からのアプローチが必要ではないだろうか。

 世界の人口は現在73億5000万人であるが、年間7000万人増えており、早ければ2050年頃に100億人を突破するとみられる。

 今日、人口3万人以上の国は210カ国であるが、そのうちの約4分の3に相当する149カ国は低・中所得の発展途上国に分類されている。

 これまでは化石燃料のほとんどを先進国が消費してきた。しかし日本人的思考では、発展途上国の国民も等しく文明の恩恵を享受する権利がある。日本は発展途上国の文明国への仲間入りを支援する意志と能力を持ちうる国であると自負する。

 その場合、早晩化石燃料だけでは成り行かないことは火を見るよりも明らかである。クリーンが強調される風力や太陽光利用の再生可能エネルギーは、規模の割には発電効率が悪く、また安定供給に不安がつきまとう。

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最終更新:9/27(火) 6:00

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