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一人の女性の痛みはもう一人の女性の喜びではない

ハーパーズ バザー・オンライン 9/28(水) 12:48配信

申し訳ないけど正直に認めよう。私は昨夜、ハウスメイトと一緒にワインを飲みながら、45分間強、インスタグラムをスクロールして、たくさんアップされていたジェニファー・アニストンが歓喜したり横目で満足気に笑ったりしている画像を見て、クスクス笑っていた。 
 
アンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットとの離婚手続きを開始したニュースは、ここハースト社内にも波紋を広げた。誰もが真っ先にこのニュースをカバーしよう、ブランジェリーナの子供たちの名前を全部正しくスペルしなきゃ、何が原因かで別れるのかしらと騒がしく話しながら、必死になった。 

セレブのゴシップは常に、たとえそれが失望させられるような内容に見えても、人を興奮させる。だから、みんながもうたくさんというところまで、メディアは書く。結局、需要があるから、供給するのだ。

だから、例えばテイラー・スウィフトが恋人と破局したというニュースが、男女平等についてとかロケット科学者のインタビューよりも常に多くアップされるのは、納得しがたいことではあるけれど、それがインターネットというものなのだ。 
 
でも、私たちにできることは、ニュースを思慮深く(あるいは、適切な箇所ではユーモアを持って)取り上げ、無神経過ぎたり不公平だなと思ったりするところがあったら、訂正しようとすることだ。 
そして、今、私たちはジェニファー・アニストンを、ブラッドとジェニファーの離婚という文脈から外すことについて考える必要がある。

今朝、次のようなつぶやきを見つけた時、私はツイッターをスクロールするのを止めた。

アマンダ・デ・カデネット「インターネット利用の皆さん、ジェニファー・アニストン対アンジェリーナで書かないでください。一人の女性の痛みは別の女性の幸福だと決めつけるのは止めにしましょう」

このツイートに、ジェニファーの画像を楽しんで見ていた私は、恐ろしいほど恥ずかしくなった。 
 
「歴史は繰り返す」という天罰のような感覚で見ていたのは事実だったかもしれないが、このドラマの中心にいるのは傷ついている女性で、傷ついた人を決して祝福の対象にしてはいけないのだ。 
 
自己満足気なジェニファーの画像は面白おかしいかもしれないけれど、それらは、私たちがいまだに、こういう状況にある女性をどう見ているかということを物語っている。 
 
どちらが優勢でどちらが注目を集めるかを巡って、女性同士がエンドレスなケンカをしているという構図だ。

でも、それでは状況を矮小化するし、微妙なニュアンスに目を瞑ることになる。それに、怖いほど人間味がない。上記アマンダがツイートしたように、一人の女性の痛みが別の女性の幸福として埋め合わせられるという考え方は、悲しい。 
 
このケースでは、私たちは今も単にジェニファーを、結婚と出産において“失敗した”女性と決めつけていることになる。
 
彼女は女優としても成功しているのに、私たちは未だに、何故まだ彼女は子供を産んでいないのかしら、まだピットと会ったりしているのかしら、ということに時間や記事スペースを無駄にしている。すばらしいキャリアもジャスティン・セローと結婚していることも無視して。 
 
インスタグラムの画像を一緒になって笑ったことで、実際はシリアスに悲しい状況から少し気を紛らわすことができたのは事実だが、一人の女性の傷心のおかげでもう一人の女性が勝者になったと讃えていては、女性同士の友情や連帯感を壊すことになってしまう。

最終更新:9/28(水) 12:48

ハーパーズ バザー・オンライン

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