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地球の氷は数百年で消滅? 「CO2止めても7℃上昇」論文に批判相次ぐ

ナショナル ジオグラフィック日本版 9/28(水) 17:31配信

「ネイチャー」誌の論文が正しければ、地球の氷はあと数百年で全て消滅する

 温暖化の影響で地球の気温上昇はこれまでの予測をはるかに上回る規模になるだろうと予測する新たな研究結果が発表されたが、その内容には重大な欠陥があるという批判が相次いでいる。

衝突寸前の氷山

 世界有数の科学誌「ネイチャー」に9月26日付で掲載された論文では、過去200万年に及ぶ世界の海面温度が示され、気候変動の記録の一部として高く評価されている。しかし、大気中の温室効果ガスの濃度が今以上に高くなるのを防いだとしても、地球の気温は最高7度まで上昇するという大胆な結論については、データによって裏付けられていないと一部の著名な科学者が反論している。

 論文の著者は、米スタンフォード大学の元博士研究員で現在は米環境保護局で気候問題に携わるキャロリン・スナイダー氏だ。氏は、研究の目的は詳細な気候変動の予測を立てることではないという。だが、過去の海面温度の変化と二酸化炭素の自然な排出量に密接な関係があることを調べ、それが地球の未来に何を意味するのかを示した。その結果、化石燃料による温室効果ガスの排出をいますぐ停止したとしても、数千年後には地球の気温がセ氏3~7度上昇するとの結論に達した。

「海面温度と温室効果ガスには密接な関係があり、それが驚くほど安定していることがわかりました。研究では、この2つと関係があるものについて調べたのです」

 これに対して専門家らは、スナイダー氏が気候の全く違う現代に過去の関係性を当てはめようとしたために、著しく高い数字が導き出されてしまったと指摘する。

「この数字はいくらなんでも大きすぎます。スナイダー氏は将来の予測を立ててはいますが、論文のどこを見ても、なぜそのように予測できるのかが説明されていません」と米ワシントン大学の地球科学教授エリック・ステイグ氏は語る。

 NASAゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット氏によると、一般的な見解は、大気中の温室効果ガスの濃度がいまと同じであれば、地球の気温はあと0.5~1度上昇するというものであり、中には2度まで上がるとしている研究もある。しかし、信頼できる研究の中で、7度も上昇すると予測しているものはないという。

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最終更新:9/28(水) 17:31

ナショナル ジオグラフィック日本版

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