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「さい帯血バンク」のサンプルが地震で失われたら…施設の責任を問うことはできる?

オトナンサー 9/28(水) 17:00配信

 白血病などの血液疾患や再生医療に役立つとされる「さい帯血」。母親と新生児を結ぶさい帯(へその緒)と胎盤に含まれる血液で、赤血球や白血球、血小板など血液のもとになる「造血幹細胞」を多く含んでいることから注目を集めています。

【年表】さい帯血バンクの歴史

 このさい帯血を保管する機関は「さい帯血バンク」と呼ばれ、「公的バンク」と「民間バンク」のいずれも存在します。公的バンクは第三者の治療に使用するさい帯血を寄付し、民間バンクはわが子の“万が一”に備えてさい帯血を保管する機関です。

 さい帯血は出産直後にしか採取できず貴重なため、その保管体制も気になるところですが、地震などでさい帯血が失われてしまった場合、バンク側の責任を問うことはできるのでしょうか。

天災は“不可抗力”で責任問われない

 弁護士の牧野和夫さんは「地震などの天災は不可抗力であるためバンク側が責任を負うことは通常ありません」と話します。

 ただしバンクが提供者との間にどのような契約を締結しているかにもよるそう。提供者とバンクの契約が、契約違反の場合のペナルティーを定めていればその金額を請求でき、提供者に精神的損害が生じれば慰謝料を請求できる可能性があるといいます。

 バンク側が意図的にサンプルを傷つけるなどの行為があれば、器物損壊罪など刑事罰に問われる可能性もありますが、「通常は問われないでしょう」(牧野さん)。

 それでは、さい帯血のやり取りにあたって法的、倫理的などの問題が生じる可能性はないのでしょうか。

 牧野さんは「公的バンクは移植が必要なあらゆる患者に公平かつ適正に移植医療を提供するのが目的で、関連学会の影響下で運営されていますが、民間バンクはそうした影響下にないため、その質と安全性の改善に向けた法規制や基準を設けるべきだといった議論もなされています」と話しています。

オトナンサー編集部

最終更新:9/28(水) 17:10

オトナンサー

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