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オリンピック・・・1964 againを超えて --- 上山 信一

アゴラ 9/28(水) 16:31配信

SFCは今日から新学期です。秋学期は「経営戦略」の授業を教えます。高校を卒業して半年ばかりの若者に企業の経営戦略を教えるのは大人相手よりもチャレンジングです。今日はオフィスグリコやディズニーなどのビジネスモデルの例を解説しました。みんな目を丸くします(そんなこと、考えたことない)。だが若い子たちの吸収力は素晴らしい。最初はPLとBSの区別すら知らない学生たちが3か月もするとM&Aのレポートを書いてきます。中には目から鱗の業界再編のアイディアを提案する子もいます。

閑話休題。さて、ビジネスモデルといえば例のオリンピックはどうなのでしょう?

公的資金を調達

IOCは国連機関ではありません。あくまで私的法人です(スイス法)。しかし加盟国は200を超え、公的色彩を帯びています。各大会の資金の過半も地元の自治体や政府が出します。東京の場合、組織委員会がスポンサーや放送権料で得る資金は約5千億円。仮に1兆かかるとすると半分が、また2兆かかるとしたら4分の3が政府や自治体の負担となります。

そこまでして誘致するメリットは何でしょう。国威発揚、都市開発など途上国の場合はわかりやすい。1964年大会もそうでした。しかし、2020大会はそうはいかないでしょう。何のためにやるのでしょう?湾岸地域の開発が進み、不動産市場が活況を呈しているのは結構なことです。しかし、問題は2020年以降です。あと4年で、東京と日本に「ダイバーシティ」「スマートシティ」「セーフシティ」をどう実現するか。それをこれから描いていく必要があります。

変わらないことの価値

それはさておき、個々のオリンピックの大会の中身はどうでしょう。2020年大会は、前回の東京大会から56年後の開催となりますが、競技種目の多くは陸上、水泳などあまり変わりません。種目の多くは人体の構造に合わせ、何世代もかけて発達してきました。わずか数十年では変わらないはずです。むしろ注目すべきはパラリンピックでしょう。道具や会場の技術革新で障がいをもった人たちも多くの競技ができるようになりました。これはすばらしい、大きな変化といえるでしょう。

しかし、それを除くとオリンピックの「聖火ランナーがいて各国選手がメダルを競う世界の祭典」というスタイルは変わらりません。しかも、4年ごとに同じことをやり続けてきました。いい意味での“偉大なるマンネリ”・・・ワンパターンであるが故に安定したイベントといえるでしょう(もう、終わってしまいましたが「水戸黄門」「男はつらいよ」「こち亀」などと同じです)。

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最終更新:9/28(水) 16:31

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