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輸入車販売のウイルプラスHD、同業買収で成長持続なるか

会社四季報オンライン 9/28(水) 12:31配信

 昨年は独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題に揺れた日本の輸入車業界。業界首位だったVWの販売が停滞、16年ぶりに独メルセデス・ベンツが新車販売台数首位を奪還し、話題となった。

 そうした状況下で今年3月、東京証券取引所のジャスダック市場に上場したのが、輸入車販売会社ウイルプラスホールディングス <HD、3538> 。伊フィアットや米クライスラー、独BMW・MINI、スウェーデンのボルボなどの販売店を展開している。

 売上高は新車販売で5割、中古車販売で2割、サービスが1割強という比率だ。最近では、修理・車検業務といった定期的に収入が得られるストック型のビジネスを育成し、新車販売に依存しない事業構造を目指している。

 同社の源流は1997年に設立された福岡クライスラーにある。その後、2007年に持ち株会社ウイルプラスHDを設立した。

 当時はクライスラー3店舗と米フォード・モーター1店舗だけだったが、積極的なM&Aを駆使して、現在は東京、神奈川、福岡で計23店舗(16年9月末時点)の輸入車ディーラーを展開している。売上高は08年6月期の30億円から210億円(16年6月期)へ急成長した。

■ 果敢なM&A戦略

 ウイルプラスHDは出店に際して「エリアドミナント」戦略を取っている。人口100万人規模の都市とその周辺に絞って出店し、新規の出店は既存店やM&Aで獲得した店舗の周辺に衛星のように行うという方針だ。それにより、特定商圏の顧客を囲い込み、シェアを高めることを狙う。

 国内の輸入車ディーラーの中には、経営難や後継者問題で身売りする会社が多くあり、今後は資本力のある大手への集約が進むとみられる。ウイルプラスHDにとって、M&Aを推進するのに絶好の事業環境だといえそうだ。

 ターゲットとなるのは、特定地域の中で5店舗程度を運営している、エリアドミナント戦略を補完するような販社だ。実際に09年には、BMWのディーラー4店舗を運営する販社を買収。直近では14年にボルボ5店舗を運営する帝欧オートを買収した。

 現状取り扱いがあるのは8ブランドだが、今後はM&Aによって新たなブランドを取り込むことが課題となる。販社の収益は、主力車種のモデルサイクルによる影響を受けやすい。取り扱いブランド拡大は、収益の変動の波を最小限に抑えることにつながる。

 上場による手取り資金8.2億円は、福岡での新規出店や移転、改装費用への投資や販売管理システムの刷新に充てる方針。積極的な拡大戦略を進め、21年6月期に売上高500億円という目標を掲げている。

 上場時の初値は1729円と、公開価格1880円を下回った。その後はおおむね1200~1500円の価格帯を往来し、上に突き抜けるか底割れするか、様子見の状態にある。成長持続で上昇トレンドを取り戻せるか。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

宮本 夏実

最終更新:9/28(水) 12:31

会社四季報オンライン