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「豊洲」を蝕んだ化学物質の正体は…

デイリー新潮 9/28(水) 19:55配信

 豊洲市場の前身である東京ガスの工場用地は1955年に埋め立てられ、翌年に稼働した。敷地はおよそ40ヘクタール。88年に操業を停止し、2001年に都が築地からの移転を決定するわけだが、『貧困都政』の著者で、この問題に詳しいルポライターの永尾俊彦氏によると、

「1956年から20年間、石炭を原料に都市ガスを製造し、触媒としてヒ素化合物を使っていました。結果、発がん性のあるベンゼンや毒ガスに使われるシアンなどが生成されていったのです」

 そして01年、東京ガスは独自に環境調査を行なっている。ベンゼンやシアンに加えて、悪性腫瘍の原因となる六価クロム、水銀、ヒ素、鉛という6種類の化学物質が検出され、いずれも環境基準値を上回った。

 都政担当記者が後を受け、

「ベンゼンは基準値の1500倍、六価クロムは14・5倍、ヒ素は49倍でした。ガスの精製過程でできた液状タールをドラム缶に入れておいたところ、缶が腐食して汚染物質が漏れ出したと推測されます」

 その後、都は08年に同様の調査を行なったのだが、

「ベンゼンは土壌の1カ所から環境基準値の4万3000倍の濃度が検出されるなど、地上で35カ所、地下水では561カ所で基準値超え。シアンは、土壌の1カ所から基準の860倍の高濃度で検出されるなど地上で90カ所、地下水では966カ所で基準値を上回ったのです」(同)

 この結果を受けて、都は地盤2メートル分を掘り下げて土を入れ替え、地下水を監視するシステムを導入。そういった土壌汚染対策に858億円を費やしてきたのである。

 毒々しい化学物質のデパートが日本の台所へと変貌を遂げる道程に。

「特集 地下に溜まった怪しい強アルカリ水! ピラミッドより謎多き豊洲の巨大建造物! 意味不明が多すぎる『豊洲のパンドラ』20の疑問」より

「週刊新潮」2016年9月29日号 掲載

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最終更新:10/4(火) 11:28

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