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権力の在り処を見逃さない二階俊博幹事長の出世道

週刊文春 9/29(木) 12:01配信

 10月23日投開票の衆院補選で、自民党は東京10区に都知事選で造反した若狭勝衆院議員を公認することを内定した。福岡6区では、保守分裂となるが、公認を見送り、当選した候補を追加公認する方向だ。ウラで動いたのは二階俊博幹事長(77)だ。

 自民党議員は「落し所が分かっている」と感心するが、実は二階体制初の国政選挙とあって「負けられない選択をしただけ」(党関係者)。

 二階氏は岸派、藤山派の遠藤三郎元建設相の秘書から政治生活をスタートさせ、衆院議員になってからは田中派に入った。最初は遠藤氏と同じ藤山派にいた田中派幹部の江崎真澄氏と行動を共にする。竹下登氏が決起した「創政会」騒動では中間派に属し、後の「経世会七奉行」の1人、奥田敬和氏に付いて竹下派へ参加した。

 ここからが二階氏の真骨頂だ。七奉行の1人、梶山静六氏が国対委員長の時に国対副委員長を務め、ここで同じポストにいた古賀誠氏と交流を深め、梶山門下生かと思いきや、いつの間にか小沢一郎氏の側近に。1993年の自民党分裂では小沢氏とともに新生党へ行き、新進党では中西啓介、平野貞夫、西川太一郎の3氏とともに「小沢四人衆」と呼ばれた。当時を知る自民党幹部は「二階氏は『四バカ』とまで言われていたのに、偉くなったもんだ」と感慨深げに語る。

 その後は周知の通り、小沢氏と袂をわかって保守党、さらに自民党へ復党して小泉純一郎氏の下、重要ポストを歴任。いつの間にやら名門・中曽根派の流れを汲む派閥も受け継ぎ、会長におさまった。

「二階氏と小池百合子都知事は新進党から自民党に移り、小泉氏に重用されるまでほぼ同じ道を歩いた。機を見るに敏、うまく乗り換えるところがよく似ている。ウマが合うはずだ」(古参秘書)

 議員宿舎に一人暮らし、77歳の二階氏は同じく秘書、地方議員出身の菅義偉官房長官とも気脈を通じ、他派議員から「二階派を菅氏に譲る、との密約があるのでは」と囁かれるほど。安倍晋三首相の周辺が望む党総裁任期延長については「長く務めてもらうのがいい」と意を汲んで動く。

 権力の在り処を見抜く嗅覚で上り詰めてきた二階氏。一方で「あまりに現世利益で、理念がなさすぎる。党の中枢を任せていていい人物でない」(官邸関係者)との批判もある。融通無碍の二階采配は吉と出るか、凶と出るか。


<週刊文春2016年10月6日号『THIS WEEK 政治』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:9/29(木) 12:06

週刊文春

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