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ヒップホップ文化の原点を見せるドラマ『ゲットダウン』

Casa BRUTUS.com 9/29(木) 7:30配信

先日から配信がスタートしたネットフリックスの新オリジナルドラマ『ゲットダウン』は、ヒップホップが盛り上がりつつある70年代後半のサウスブロンクスから物語が始まる。

少年たちのドラマの背景で、まったく新しいカルチャーが人々を巻き込んでいく様子をリアルに伝える。

現在、最も影響力のあるデザイン評論家のアリス・ローソーンが、ネットフリックスの新作ドラマ『ゲットダウン』のオープニングを彼女のSNSで賞賛していた。本作は1970年代後半のニューヨークのサウスブロンクス地区を舞台に、ヒップホップで成功しようとする若者たちの姿を描く物語。毎回のオープニングでは、ラッパーとして大成した未来の主人公があらすじをラップし(その歌詞と声は人気ラッパーのNASが担当)、「GET DOWN」という言葉とその回のタイトルがグラフィティとして描かれた電車が走り抜ける。ヒップホップ好きの胸を熱くしそうな場面に、ローソーンのようなデザインのプロさえも反応したのがおもしろい。ちなみに本作は『ムーラン・ルージュ』などで知られる映画監督、バズ・ラーマンが初めて手がけるドラマシリーズ。全12話のうちパート1の6話までがネットフリックスで一挙配信されている。

主人公のエゼキエルは高校生で、環境に恵まれず夢もなかったが、知的で詩が得意だった。DJのシャオと運命的な出会いをした彼は、恋人のマイリーンからの刺激もあって、幼なじみのキプリング家の3兄弟とともにゲットダウンブラザーズというヒップホップチームを結成。ラッパーとして才能を発揮しはじめる。マイリーンもディスコ歌手を夢見ているが、牧師の父は躾が厳しく許してくれない。苦労を乗り越えながら、彼らは未知の一歩を踏み出していく……というのがシリーズ前半の流れ。犯罪とドラッグが蔓延し、廃墟同然の建物も多い当時のサウスブロンクスの環境が、彼らの日常と切り離せない背景になっている。

当時のサウスブロンクスは、まさにヒップホップの揺籃期。DJシャオは実際にシーンの先端にいたグランドマスター・フラッシュの弟子という設定で、フラッシュがターンテーブルの使い方を直伝するシーンがあったりする。フラッシュの好敵手として、ヒップホップの創始者とも言われるDJクール・ハークやアフリカ・バンバータも登場。ゲットダウンブラザースは架空のチームだが、周囲を取り巻くのが実在するヒップホップ・アーティストなのがこのドラマの大きな特徴で、彼らはドラマのクリエイティブチームにも名を連ねている。またグラフィティやヒップホップ以外の当時のインディペンデントな音楽シーンについても、的確に考証されているようだ。

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最終更新:9/29(木) 7:30

Casa BRUTUS.com