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【悲報】長年連れ添っても夫婦の睡眠習慣は似ない

ナショナル ジオグラフィック日本版 9/29(木) 7:50配信

「眠れず悶々としている脇で高いびきをかく」のはやむなし!?

 似たもの夫婦という言葉があるが、あまたの家族調査によれば長年連れ添った夫婦は確かに性格傾向が似ているらしい。「一緒に暮らしているから似てくる」のか、「元々似ているもの同士が結婚した」のか、その理由についても研究が行われている。

睡眠習慣を決める要因

 米国ミシガン州立大学の心理学者が1296組の夫婦を対象に調べたところ、陽気さ、陰気さ、慎重さなど大部分の性格傾向は同居年数には関連せず、どうやら「元々似ているもの同士が結婚した」可能性が高いと結論づけている。

 ただ、「攻撃性」は一緒に生活しているとだんだん似てくるらしい。片方が攻撃的だと売り言葉に買い言葉方式でパートナーも攻撃的になるとのことで、「似たもの夫婦」は必ずしも「おしどり夫婦」とはならないようだ。

 睡眠習慣についてはどうだろうか。長年生活を共にしていれば、寝起きの時刻や体のリズムも徐々に近づいていくのではないだろうか?

 私たちが行った調査結果では、答えは「NO」である。性格傾向と同様に、夫婦間でも睡眠パターンは似てこないことが分かった。

パートナーの睡眠習慣に影響を与える要素は?

調査対象になったのは225組(450人)の夫婦である。平均年齢は夫が44.4歳、妻が42.1歳、同居年数は平均17.0年(1年~48年)。食事を一緒にする回数は、週あたり朝食が3.4回、昼食が1.2回、夕食が4.9回。86.9%の夫婦が寝室を共にしていた。

 夕食を週に5回近く、昼食も(おそらく休日だと思われるが)1回以上一緒にできているのは立派なもので、帰宅が遅く休日出勤も多い私としては実に耳が痛い。これが日本の夫婦生活の平均像に近いかどうかは別として、かなり生活時間を共有している夫婦が調査対象になった。

 さて、これらの夫婦で寝つく時間(入眠時刻)と目覚める時間(覚醒時刻)が似てくるのかどうかを解析した。睡眠習慣を近づけるような、お互いに影響を与え合う要因ははたしてあるのだろうか。その要因として取り上げたのは、それぞれの朝型・夜型傾向(クロノタイプ)、睡眠問題(不眠、眠気、その他の睡眠障害の有無)、睡眠習慣(入眠・覚醒時刻、睡眠時間の長さなど)、年齢、性別、同居年数、そして、寝室や食事を含めた生活習慣の共有の度合いなどである。

 その結果分かったことは、入眠時刻に強く影響したのは「自分自身のクロノタイプ」と「不眠傾向」であり、パートナーの睡眠習慣で影響したのは入眠時刻のみであった。それもごく弱く。同居年数、寝室や食事の共有回数などはお互いの睡眠習慣に全く影響していなかった。

 クロノタイプは遺伝的に決められている部分が大きい。つまり体質的なものである。元々夜型傾向が強ければ、パートナーがいくら早寝をしてもそれにつられて早寝をするようにはならないということだ。旦那が早々とソファーで高いびき、妻は夜な夜なネットサーフィン、そのような家庭内時差に陥っているご夫婦も少なくないのでは。

 ちなみに、不眠傾向は後天的な要素で、当然ながら寝つきに時間がかかり入眠時刻は遅くなる。中年以降になると不眠症状が増加する。眠れず悶々としている脇で高いびきをかくパートナーが恨めしいと話す患者さんも少なくない。

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最終更新:9/29(木) 7:50

ナショナル ジオグラフィック日本版

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