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世界で初めてコンピューターが奏でた「チューリングの音楽」

WIRED.jp 9/29(木) 9:00配信

「世界で初めてコンピューター生成された音楽」が、このほど修復された。蘇った3つのメロディーを人間が耳にするのは半世紀以上ぶりのこととなる。
修復されたのは、イギリス国歌「God Save the Queen」や童謡「Baa Baa Black Sheep」など。BBCの取材チームが1951年、マンチェスターにある「アラン・チューリング国立コンピューティング博物館」を訪れたときに録音されたものだ。

アラン・チューリングとは何者なのか?

音楽を生成したのは、1947年に製造された巨大コンピューター「Mark II」。短い音の連続が拡声器を使って奏でられた。その音については、チューリングが「Tap(コツコツ)、Click(カチッ)、Thump(ドン)」の中間音だと説明している。音の連続は、演奏を一定の速度まで速めると混ざり合い、メロディーを奏でた。

オリジナルの音声は、コンピューターが音を奏でている間に、BBCの技術者が12インチの片面アセテート盤にカッティングした。ところが、のちに録音が不正確であることがわかり、生成されたときの音で音楽を聴くことはおそらく不可能だろうといわれていた。

しかしこのほど、現代のハイテクな検出技術のおかげで、オリジナルの音声が修復された。ニュージーランドにあるカンタベリー大学のジャック・コープランドとジェイソン・ロングは、コンピューター解析を利用しながら、音楽が不正確な速度で演奏され、録音の音波振動に変化が生じていたことを明らかにした。

コープランドとロングは正確な速度を割り出し、録音時の揺れによって生じたひずみと背後のノイズを取り除いた。このようにして彼らは、「世界で初めてコンピューターが生成した音楽」をより正確に再現することに成功したのだ。

コンピューター史に残る音楽は、こちらで聴くことができる(関連記事にリンクあり)。

JAMES TEMPERTON

最終更新:9/29(木) 9:00

WIRED.jp

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