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ペナントレースの価値観が問われるCS制度。落合私案は「たすき掛けの日本一決定戦」

ベースボールチャンネル 9/29(木) 12:10配信

ペナントレースで負け越したチームが日本一になる可能性も

 今季のプロ野球はセリーグが広島、パリーグは北海道日本ハムが優勝し、クライマックスシリーズ(CS)から日本シリーズへと続くポスト・シーズンに入る。

 2004年にパリーグが採用し、2007年から両リーグとも実施しているCSは10年目を迎え、ファンの間にも定着した感がある。特に広島が独走したセリーグは、CSがなければ早々に秋風が吹いたはずだが、横浜DeNAの初進出なるかなど、CS関連の話題で最後まで盛り上がった。

 だが、1位が独走して優勝争いへの関心が薄れた場合、3位以下によるCS進出争いにファンやメディアの注目が移ってしまうなど、約半年をかけて戦い抜くペナントレースの価値観が低下するのではないかという声も依然としてなくならない。

 実際、2007年にペナントレースで2位だったものの、CSでは阪神、巨人に負けなしの5連勝で日本シリーズへ進み、北海道日本ハムにも4勝1敗で53年ぶりの日本一に輝いた中日を率いた落合博満は、当時をこんなふうに振り返る。

「この年のセリーグは、巨人、阪神、中日が三つ巴で優勝を争ったけど、終盤に痛い星を落としても、『CSには出られるんだから』という感じで、チーム全体が『何が何でも優勝する』という張り詰めた空気にならなかった。それで1.5ゲーム差の2位になり、優勝できなかったことを実感すると、悔しさが沸き上がってきてCSから9勝1敗で走った。初めての経験というのもあったんだろうけど、ちょっと不思議な感じだった」

 また、話題になり続けた横浜DeNAの勝率がなかなか5割に届かなかったことで、昨年の阪神に続いてペナントレースで負け越したチームがCSに進出する、つまりは日本一になる可能性があるという懸念もつきまとった。

半分の球団がポスト・シーズンへ進める現行制度でいいのか?

 制度として歴史を重ねながら、存在意義を常に問われるCSについて、落合はひとりの野球人という立場でこんな私論を話してくれた。

「勝負の世界において、負け越したチームが日本一になる可能性だけはあっちゃいけない。やはり、セパ6球団という規模のリーグで、3球団がCSに進むのはいかがなものか。プロ野球が2リーグ制になってから、2位が勝率5割未満だったことは一度もないけれど、3位が勝率5割未満だったことはセで11回、パで7回もある。やはり、ポスト・シーズンは2位までの球団で行うべきでしょう」

 その上で、落合が提案するのは、たすき掛けの日本一決定戦だ。

「CSでは、セの1位とパの2位、パの1位とセの2位が対戦する。1位のアドバンテージはなく、現行の日本シリーズと同じ7回戦制で、1位の本拠地から開始すればいい。そして、その勝者同士で日本シリーズを戦う。こうすれば、セ同士、パ同士の日本シリーズになる可能性もあるわけで、ファンにも新たな面白さを提供できるんじゃないかな」

 レギュラー・シーズンからポスト・シーズンという流れは、世界の野球のスタンダードになっている。レギュラー・シーズンの悔しさをぶつけ、ポスト・シーズンに下剋上していくという大逆転ストーリーもファンを熱狂させるが、あくまで長いペナントレースを戦い抜くという価値観が尊重されなければならない。その上で、ポスト・シーズンをどう魅力あるものに進化させていくか。今季の戦いも追いかけながら考えてみたい。


横尾弘一

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:9/29(木) 17:19

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