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バックアッププラン(代替案)を作るのは逆効果かもしれない

ライフハッカー[日本版] 9/29(木) 21:10配信

99U:クリエイティブなことをやろうとすれば、必ず失敗するリスクがついてまわります。悲しいことですが、真実です。あなたが提案した出版企画書が拒否されるかもしれません。スタートアップが頓挫するかもしれません。顧客プレゼンで大失態を演じてしまうかもしれません。失敗のことを考えれば、誰だって不安になります。そして、不安をなだめるためにバックアッププラン(代替案)を考えます。あなたは自分にこう言い聞かせます。この本の企画が通らなかったら、スタッフライターの求人に応募しよう...。このスタートアップが失敗したら、友人の会社で働こう...。

バックアッププランは、心のセーフティーネットみたいなものです。それがあれば、失敗の恐怖がいくらか和らげられます。ところが、皮肉なことに、バックアッププランを作成することで、本来のゴールが達成しずらくなってしまうようなのです。

先日、ウィスコンシン大学とペンシルベニア大学の経営学者たちが発表した研究によれば、達成しようとしているゴールが困難なものであるほど、バックアッププランを作ることによる負の副作用が大きくなるそうです。

専門誌『Organizational Behavior and Human Decision Processes』に掲載された最新の論文に、バックアッププランを考えることで、モチベーションが低下してしまうことがその原因であると書かれています。

失敗に対する恐怖は、成功に向けて努力するための原動力でもあります。バックアッププランがあるとその恐怖が和らげられ、ゆったりモードに入ってしまい、ゴールに向けて脇目もふらずにがんばるという姿勢ではなくなってしまいます。

バックアッププランがモチベーションを低下させるという学説を検証するために、研究者たちは、数百人の被験者を集め、制限時間内に単語の並び替えクイズを解いてもらう実験を4度行いました。問題を解いた被験者には、軽食から、少額のお金まで実験ごとに異なる報酬が与えられました。

いずれの実験でも、一部の被験者には、バックアッププランを考えるように指示がなされました。たとえば、成功報酬が軽食なら、キャンパス内で無料の軽食を手に入れる別の方法を考えてもらいました。

結果、どの実験でも、バックアッププランを作成したグループのほうが、問題を解いた数が少ないことがわかりました。つまり、成功報酬を手に入れる別の手段を頭の中で考えただけで、パフォーマンスが下がってしまったのです。実験後のアンケートにより、原因は、バックアッププランを作成することで気が散ったからではなく、モチベーションが低下したためであることがわかりました。

ここで1つ抑えておくべきポイントがあります。この実験におけるバックアッププランとは、第一のゴールが失敗に終わったときのために、まったく別のゴールを用意しておくことを意味します(出版企画書が拒否されたら、スタッフライターの求人に応募する)。1つのゴールのための複数の手段を考える(出版社と交渉してくれるエージェントを複数見つけておく)ということではないことに注意が必要です。数々の研究が、1つのゴールのために複数の戦略を考えることで、モチベーションが高まることを示唆しています。

こうした研究結果にもとづき、研究者のジヘ・シン氏とキャサリン・ミルクマン氏は、「バックアッププランを考えるのには明らかなメリット(将来への不安を和らげる)がある一方、見過ごせないデメリットもある」と助言しています。

この最新の研究も、若干、現実性を欠くところはあります。オンラインで単語クイズを解くことと、起業したり、小説を書くことを同列に扱うのには無理があるからです。それでも、この実験にはある種の説得力があるのは事実です。バックアッププランが恐怖を和らげてくれる一方で、情熱の火も消してしまうというのはうなずけます。また、問題となるのがモチベーションなのだとしたら、バックアッププランの弊害は、目標達成に強い意志力が必要なときほど大きくなり、逆に、成功、失敗が運で決まるようなときには、ほとんど関係ないことがわかります。後者の場合、バックアッププランを考えておくことは、無害であるどころか、むしろ賢い選択だと言えるでしょう。

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最終更新:9/29(木) 21:10

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