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ヨーガン レールから届いた最後のメッセージ。

Casa BRUTUS.com 9/29(木) 21:40配信

環境問題に向き合い、独自の活動を通して自然の尊さを発信してきたデザイナーのヨーガン レール。

晩年暮らした沖縄・石垣島で彼が取り組んだのは、海辺に打ち上げられたプラスチックゴミを拾い集め、美しいランプに生まれ変わらせることだった。そうして生まれた照明作品を中心に構成した企画展が、十和田市現代美術館で開催される。

1966年の来日以来、長年、日本で過ごし、自然の素材を活かした服作りで高い評価を得てきたヨーガン レール。1990年後半からは、八重山諸島にある海辺の家に移り住み、自然に寄り添いながら日々を過ごしてきた。

創作活動の合間に足を運ぶ海辺で彼が直面したのは、毎日大量に打ち上げられるプラスチックゴミだ。ペットボトルのふた、スーパーのレジ袋や鼻緒の切れたビーチサンダル。人間の手によって捨てられたおびただしい数のゴミは、かつてここにあったはずの美しい海を破壊する。この現実に懸念を抱いた彼は、ゴミを拾い集めて色ごとに分別し、それをもとにランプを作りはじめた。

「醜いプラスチックのゴミを大量に見せただけでは、その恐ろしさをわかってもらえないなら、私はそのゴミを使って、何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。ただ美しいだけのオブジェではなく、もう1度、人の役に役立つ実用的なものに変えましょう。これは、ものを作ることを仕事にしている私の小さな抵抗です。それによって、この大量のゴミに目を向けてもらえるように。私はこれを最後の仕事だと思っています」

深刻な環境問題から生まれた悲しみと憤りを、カラフルでユニークなフォルムのランプに変え、私たちに自然の尊さを伝える。

ヨーガン レールの照明作品が披露されるのは、スウェーデン、東京、京都に続き4回目。今回は、生前に彼が撮影した美しい海と汚れた海を対比させた写真作品も展示し、視覚的なメッセージをより強固にして発信する。また、鳥の生態から自然破壊の現実を映し出すクリス ジョーダンの写真も展示。あたたかな灯りと海の姿を通して、ヨーガン レールの最後のメッセージを受けとってほしい。

On the Beach ヨーガン レール 海からのメッセージ

〈十和田市現代美術館〉
青森県十和田市西二番町10-9 TEL 0176 20 1127。10月8日~2月5日。9時~17時。月曜(祝日の場合はその翌日)、12月26~1月1日休。入館料1000円。

text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi

最終更新:9/29(木) 21:40

Casa BRUTUS.com

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