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ハリル監督、前言撤回で代表主力組を苦渋の選出 「彼らを外したら、誰がいるのか」と嘆き節

Football ZONE web 9/29(木) 19:24配信

「クラブで試合に出ていない選手は呼ばない」と宣言してきた指揮官だが…

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は、29日に開かれた10月6日のイラク戦、11日のオーストラリア戦というワールドカップアジア最終予選のメンバー発表会見で、FW本田圭佑(ACミラン)やMF香川真司(ドルトムント)といった主力が所属クラブで出場機会を失っている現状に対し、「彼らを外したら、誰がいるのか」と苦渋の選出であると語った。

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 招集した26人の中で15人がヨーロッパでプレーしている。しかし、クラブでレギュラーを獲得していると言える存在は、DF酒井宏樹(マルセイユ)、DF酒井高徳(ハンブルガー)、FW原口元気(ヘルタ)、FW浅野拓磨(シュツットガルト)の4人のみという状況だ。本田、香川という攻撃の二枚看板に加え、MF清武弘嗣(セビージャ)やFW岡崎慎司(レスター)もレギュラー定着には程遠い。

 就任以来、「クラブで試合に出ていない選手は呼ばない」と宣言してきたハリル監督だが、この状況には頭を抱えた。なぜなら「まだ海外と日本のフットボールの差が歴然としている。もしJリーグを世界でも素晴らしいリーグだと言えば、フットボールを知らないのかと言われる」と、Jリーグのレベルを捉えているからだ。

 「クラブで試合に出ていない」選手たちを今回は招集し、前言を撤回する形となった。その背景には、Jリーグでプレーする選手を勝負の懸かった最終予選で起用できない――。そんなハリル監督の思考がコメントから透けて見える。

日本と欧州の違いを力説「これが真実です」

 だからこそ、日本サッカー界の現状に苛立ちを隠せぬ様子でハリル監督はこう語った。

「本来なら先発で出ていない選手は外さなくてはいけない。だが、誰がいるのか。これが真実です。日本とヨーロッパのフットボールが違いすぎる」

 この問題は、欧州でプレーする選手が増えた2002年の日韓ワールドカップ後、ジーコ体制下から常態化している問題でもある。日本サッカーが長年抱える課題にハリル監督も直面したと言っていいだろう。

 ハリル監督は、手に持った棒グラフが記載された資料を掲げるとこう嘆いた。

「これは私の就任からのチーム走行距離だ。一番下は、国内組だけで臨んだ東アジア選手権だ。最も良い試合をしたチームより10キロ少ないのがその試合だ。それを考えて欲しい」

 確かに、選手をどう選出して、どのように結果を出すかが代表監督の評価であり、それが全てだ。しかし、日本サッカー全体の強化を考えた時に、海外クラブで出場機会が少ない主力の代わりがいないというのは、誰が代表監督であるによせ大きな問題だ。

 Jリーグの強化を含め、日本サッカー界全体の選手層の薄さが、ハリル監督のメンバー選考と発言という形で顔を覗かせたと捉えるべきだろう。

代表主力組の先行きに不安を漏らす

「先発をずっと彼らが取れなければ、もっともっと大きな問題になる。例えば3ケ月、4ケ月と出られなければ、全く違う問題が起きる。それが起きて欲しくはないが……」

 ハリル監督は代表主力組の先行きに不安を漏らした。果たして、不安が現実のものとなった時に、誰が現在の主力に取って代われるのか。ハリル監督の頭痛の種は、日本サッカー界に突きつけられた大きな課題でもあるはずだ。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

最終更新:9/29(木) 19:24

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