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ストリーミングTidalが「絶好の買収ターゲット」である4つの理由

Forbes JAPAN 9/29(木) 7:46配信

ここ最近、アップルが音楽ストリーミングTidalを買収するとの噂が流れたが、アップルはこれを否定した。サムスンも莫大な資金を投じTidal買収に動くと報道されたが、真実ではないという。しかし、これはTidalの価値が低いというわけではなく、むしろ正しく買収すれば良い買い物になるという証拠なのだ。



ここで、Tidalが「絶好の買収ターゲット」である4つの理由を紹介しよう。

1. 「独占コンテンツ」の優位性

ほとんどの音楽ストリーミングサービスが差別化に苦しむ中、Tidalは特に独占コンテンツに力を入れている。約1年半前の立ち上げ以来、カニエ・ウェストやリアーナ、ビヨンセなどの新譜を期間限定で独占配信し、独占コンテンツにおいて業界のリーダー的存在になっている。Tidalが期間限定あるいは無期限で独占的に配信している楽曲やミュージックビデオは数多く、常に新しいアーティストがコンテンツを提供している。

独占コンテンツの価値は極めて高く、他社がTidalの買収を検討する大きな理由だ。独占コンテンツは長期的にユーザーを引き止める手段として証明された訳ではないが、今のところ多くのサービスが競って導入している特典だ。

アップルも独占コンテンツに力を入れており、2016年にはドレイクやチャンス・ザ・ラッパーなどの新譜を他社に先立って配信した。しかし、独占コンテンツにおいてはTidalが依然としてリーダーであり、自身がラッパーでビジネスマンでもあるJay Zが所有する同社は買収対象として非常に魅力的だ。

2. 今なら「お買い得」かもしれない

最近発表されたTidalの業績を見る限り、同社の経営はあまりうまくいっていないことが分かる。ウォールストリートジャーナルによると、Tidalの親会社Aspiroは莫大な損失を出している。2015年の損失額は2,800万ドル(約28億円)で、前年の1,000万ドル(約10億円)から大幅に増加した。しかもこの損失額を打ち消すほどの新規ユーザーを獲得できているわけではない。

そのためTidalは破格の安値で身売りに応じる可能性もある。追加出資を受けてしばらくは独自経営を貫くかもしれないが、今のペースで損失を出し続ければ身売りする以外にないだろう。
--{4. 群を抜く知名度}--
3. 300万人の有料会員の存在

音楽ストリーミング業界において有料会員の獲得は容易なことではない。この分野は歴史が浅く、ユーザーは簡単には財布の紐を緩めない。Tidalには現在300万人から400万人の有料会員がおり、4,000万人のSpotifyや1,700万人のアップルミュージックと比べると見劣りするが、数百万人レベルの有料会員を持つサービスはそう多くはない。会員数の面でもTidalは買収ターゲットとして魅力的だ。

4. 群を抜く知名度

Tidalは非常に革新的なサービスという訳ではないが、知名度の点では群を抜く存在といえる。新規参入のストリーミングサービスが直面する課題の1つが知名度の獲得だ。アマゾンやサウンドクラウドもストリーミング事業を開始したものの、ストリーミングサービスとしての知名度は高くない。

問題もあるTidalだが、常に人々が話題にしているサービスではある。どの企業がTidalを買収するにしろ、良い評判も悪い評判も含めて引き継ぐことになるだろう。

Hugh McIntyre

最終更新:9/29(木) 7:46

Forbes JAPAN

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