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可愛い子には留年させよ、きっと何かが見つかる

JBpress 9/29(木) 6:15配信

 人材育成のエコシステムが全く機能していないのです。何を言っているか? 

 日本の高等教育と社会の求人ニーズの間の統合失調状態をここでは考えています。機能不全と言うより、機能以前に最初から何も成立していない。

 社会に必要な人材を適切に送り出し、次世代の国民を育てて行くという現実的な戦略が、日本では有史以来、後に触れるほぼ唯一の例外を除いて、そもそも存在しない場合が少なくないのです。

 教育の空疎化、を考えても多分うまい解決策はなく、この国では元来、中身の虚ろな空疎、いわばドーナツの穴状態が、教育を巡る諸問題の根本にあり、それをどうするか検討する方が現実的ではないのか? 

 そういう問題を考えてみたいと思います。

■ 「学制」以来の光と影

 10月8日、東京大学本郷キャンパスで1日かけて行う予定の国立大学協会・大学改革シンポジウムを念頭に一連の問題を考えています。善くも悪しくも評論家などではなく、気の利いたことを言って見せてもその後、責任が取れなければ話になりませんので、地味ですが質実剛健な内容を検討しているものです。

 先ほど最初に触れた「エコシステム」とは何か、から考えてみましょう。この言葉の同義語として「好循環の成立」という表現を取る場合もあります。

 つまり、必要な分だけ入って来る。出て行く分があれば、それを補う。総需要が減少すれば結果的に全体の規模も縮小する・・・。そういう準平衡な系、あるいは適切な成長に合致した状態を、いまここでは「エコシステム」と呼ぶことにしましょう。

 日本の高等教育研究機関が人材育成の観点から、中長期的に目指すべき、ぶれのない基本目標の1つとして「社会に送り出す人材の<準>エコシステムの成立」は、穏当かつ望ましいものの1つと言って、外れるものではないように思います。

 つまり、公的補助も入り、国として保護育成の対象となっている教育機関がどのような人材育成を目指すべきか、と言うとき、社会ニーズと合致した好循環が形成されるようにすべき、と言って、大きく反対する人はあまりいないように思います。

 もし反対する人があるとすれば、それは恐らく次のような人たちでしょう。つまり、社会に全くニーズのない人材ばかり作って、当然ながら就職その他の口もなく、OBやOGは卒業前からこの先の人生設計が不透明、早晩志望者も少なくなり、学校そのものの経営も危機に瀕する・・・。

 しかし、これが大勢を占める意見とはなりにくいように思います。

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最終更新:9/29(木) 6:15

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