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まるでタイムトンネルのような館内! 英国の生活史をたどるミュージアム

CREA WEB 9/29(木) 12:01配信

イギリスの消費社会の歴史がわかるレトロなポスターやパッケージが1万2000点

 スーパーマーケットの店内を眺めれば、人々の生活がほの見える、というくらい、日用品の数々はその時代、その土地の生活を反映しているもの。そんな日用品のパッケージを手に、ふと「自分がこれを捨ててしまったら、このパッケージは未来永劫残らないのでは」という危機感にとらわれた社会史家ロバート・オーピーさんが、過去50年にわたり収集してきた1万2000点に及ぶコレクションを展示しているのが、Museum of Brands, Packaging and Advertising(ブランド・パッケージ・広告博物館)です。

 タイムトンネルのように時系列に並べられた商品パッケージや広告を眺めながら、ヴィクトリア朝から現代へと帰ってくる構成は、どこか懐かしい品々の連続。

 タイムトンネルの始まりにあたるヴィクトリア朝は、産業革命と鉄道システムの発展によって、それまでよりも多くの物品が国全体に行き渡るようになり、さまざまな商品が一般家庭にまで普及していった時代。当時の鉄道の時刻表や、劇場のポスター、コールドクリームや歯磨き粉、洗濯洗剤のパッケージなどがぎっしりと並んでいます。

 つづくエドワード朝では、ユーモアあふれるイラスト入りのポストカードが大流行、政治的なメッセージが強いものもあり、英国人が好きな風刺画は、この時代にも健在だったことがわかります。

 20世紀に入ると、1910年代から1990年代までの展示は10年ごとに区切られ、その期間にあった大きな出来事も解説されています。

 英国ならではの王室関連ものや、ソープや食品のパッケージ、女性向けのファッション誌の表紙は、繰り返し展示されているので、その変化と普遍性も俯瞰できるのは興味深いところです。

緑のなかでティータイムキウイも実る美しいガーデン

 このミュージアムのもうひとつの魅力は、美しいカフェ。温室のようなガラス張りのカフェでは、屋内でありながら緑に囲まれてお茶やランチを楽しむことができます。

 ガーデンにも椅子とテーブルが並んでいるのですが、ぐるりと歩いてまわると、「こんなところにも」と思うようなちょっと隠れた場所にベンチがあり、まるで個室にいるような気分です。

 ガーデンの中央にある木からは、大きなキウイの実がぶら下がっていて、あまり知られていない「英国でもキウイが育つ」という事実を目の当たりにすることができます。

 ケーキやペストリーのほか、サンドイッチやスープも供しているので、ランチタイムに立ち寄るにもおすすめです。マーケットの立つノッティング・ヒルからも徒歩圏。アンティーク・ショッピングに来た際には、ちょっと足を伸ばして、さらにレトロな世界に浸ってみるのも一興です。

Museum of Brands, Packaging & Advertising
所在地 111-117 Lancaster Road, Notting Hill, London W11 1QT
開館時間 火曜~土曜 10:00~18:00、日曜 11:00~17:00
入場料 大人9ポンド
定休日 月曜(国民の休日の場合は開館)
http://www.museumofbrands.com/
※カフェは、閉館時間の30分前にクローズ

安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
ロンドンでの小さなネタをつづったフェイスブック www.facebook.com/kresseuropelimited
運営する編集プロダクションのウェブサイト www.kress-europe.com

安田和代

最終更新:9/29(木) 12:01

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