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「13歳のハローワーク」が与えたキャリア教育への功罪 (増沢隆太 人事コンサルタント)

シェアーズカフェ・オンライン 9/30(金) 6:11配信

作家・村上龍氏が2003年に世に出し、大ベストセラーになった「13歳のハローワーク」は、キャリアを教える上で大きな役割を果たしました。しかしその役割は一部の機能に偏っており、キャリア教育として補完すべきものがあります。

■好奇心を仕事に
同書の帯では、子供の好奇心と仕事とを結びつけるかたちのガイドブック、「仕事の百科全書」と書かれています。さまざまな仕事を、子供がわかりやすいように解説した本は類がなく、また内容も現実感をもって書かれています。日本の職業分類の基準ともいえる、厚生労働省職業分類表を超える500種類以上の職業が解説される分厚い内容です。

同書には公式サイトがあり、そこによれば「発売から2年で全国8000校以上の小・中・高等学校で教材や参考図書として採用されている」とのこと。過去に類がないほど広く職業を解説した同書は、キャリア教材として便利なことは想像できます。

一方で批判もあります。職業情報としては内容がずれているとか、実態とは違うといったものですが、どこまで正確な表記ができるかは非常に難しい問題といえます。絶えず変化するビジネスの環境下で、限られたスペースで500種類を超える職業を説明する以上、言葉足らずやズレは出るのも仕方ありません。私はこうした批判は、許容範囲のものだと感じます。

ただ同書の職業情報ソースとしての価値は認めるのですが、作者の村上氏が「はじめに」で書いている、子どもの好奇心の対象としての職業という考えには違和感を覚えます。「選択肢を示すだけ」という姿勢は、キャリア教育においては問題があります。

■将来の夢はケーキ屋さん?
小学生に将来の夢や職業を聞けば、身近な職業がずらりと並びます。第一生命が1989年から小学生に調査している「大人になったらなりたいもの」ランキングでは、過去ほとんどの年で、男の子はサッカー選手と野球選手、女の子は食べ物屋さんと(保育園/幼稚園含む)先生と看護師さんがベスト3になっています。いずれもどんな仕事かがわかりやすいもので、職業情報を子供なりに理解しているものが挙げられています。

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最終更新:9/30(金) 6:11

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