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ホークスV逸も、ファームは7.5ゲーム差逆転でV5。水上二軍監督「二軍は一軍のプレッシャーの中で結果を出すための訓練の場」

ベースボールチャンネル 9/30(金) 17:01配信

勝ち試合でしか得られないものがある

 史上最長のウエスタンリーグV5を成し遂げたホークス。開幕からしばらくは波に乗れず、首位に最大7.5ゲーム差をつけられたが、「ようやく去年を思い出してきた」と水上二軍監督が話した5月末以降、前年度王者チームの打線がつながり始めた。そして、引き分け挟む12連勝などの快進撃でそのまま優勝へと上り詰めた。

 ウエスタンリーグ優勝について、水上監督は、「胴上げの時はこみ上げるものがあった。優勝ということは、よそのチームよりも勝ち星が多かったということ。ファームは育成の場だから勝ちにこだわらなくていいとも言われるが、勝つ試合でしか得られないものもたくさんある」と力を込めた。

 一軍に近い若手選手や、(不調や調整で降格してきた)一軍選手も多いホークス二軍は、“勝って当たり前”と思われがちだった。しかし、水上監督は、その中で勝ち切ることの難しさを感じ、“一軍の予行演習”をしてほしいという。点差があっても、送りバントやスクイズのサインを出し、“1点を取りに行く野球”をさせた。一軍が強いからこそ、1点を取りに行くプレッシャーの中で結果を出す予行演習をしないといけないのだという。

「技術だけならすごい人はいっぱいいる。一軍で結果を出すために、ファームの時から、ピンチやチャンスで力を発揮し、勝ちに行くための訓練をしてきた。V5は、選手たちがやるべきことをしっかりやってきた結果です」

 その予行演習で結果を出してきた若手選手たちが、今季、何度か一軍に昇格した。一軍への壁が最も厚いと言っても過言ではないホークスでそのチャンスをつかんだが、水上監督は「私の反省点は、彼らを一軍に定着させられなかったこと」と、悔しそうに振り返る。

 塚田正義、猪本健太郎、上林誠知らは、シーズン途中で一軍昇格するも、数少ないチャンスで結果が出せず、ファームに戻ってきた。

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 塚田は今季、チームメイトの牧原大成が2014年に記録したシーズン120安打を更新する124安打を放ち、ウエスタンリーグ記録を更新。首位打者と最多安打、最高出塁率の3冠に輝いた。それでも、一軍の壁は高かった。ウエスタンV5を成し遂げても、喜びはない。「またここか」これが本音だったという。これだけ結果を残しても、今季の一軍昇格は2度、ベンチ入り3試合で出場機会は1度だけ。チーム事情やタイミングもあるが、二軍で結果を出し続けた塚田にとって、本当に悔しいシーズンだった。

「どうしたらいいのかわからん。もっと打ったらいいんですかね」

 様々な想いを押し殺した。それでも、「野球を楽しく」と前を向き、黙々と練習し続ける。

 シーズン終盤には釜元豪、真砂勇介のプロ初昇格もあったが、釜元は守備から途中出場した試合で1打席、真砂は2度の昇格も、出場機会なく抹消された。

 釜元は、「大事な時期に戦力として上げてもらったんじゃなく、消去法で自分が上がったと思っている。自分の力で上がっていたらすぐ抹消されないし、もっとチャンスもあったはず。点差があったから出してもらえるじゃなくて、自分が力をつけて戦力として出してもらえるようにならないと」

 ウエスタンリーグ盗塁王、7月度ファーム月間MVPなどの活躍にもふがいないシーズンだったと振り返った。

 真砂は二度の昇格も、共に出場機会なく2日で抹消。それでも、「自分のやることをしっかりやるだけっす!」とポーカーフェイス。ファームの試合で活躍しても、普段から「ういーっす!たまたまっす!」という真砂。藤本二軍打撃コーチは、「アイツはギータみたいなやつだからね」と笑う。「トップの位置も修正されたし、タイミングもしっかりとれるようになった。今なら一軍で出ても結果出るんじゃないかな」と藤本コーチに太鼓判を押されての終盤再昇格も、プロ初出場とはならなかった。

「本当の壁の高さを知って帰ってきたはず」

 水上監督は、彼らの昇格時、非常に喜んでいたのだが、今回もまた別の喜びを感じていた。

「ここですぐ試合に出られなかった“なぜ”を考えてほしい。出してくれないじゃなくて、出られないワケを。それを考えられる良い期間だったんじゃないかな。チャンスはもらうもんじゃない、(自分で)とるもの!」

 指揮官は、これからが楽しみな若鷹の成長と、この時期に上から名前が挙げられたことを喜び、称えた。

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最終更新:9/30(金) 17:01

ベースボールチャンネル

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