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メルセデス・ベンツが2020年を見据えた「ジェネレーションEQ」とは何か──パリモーターショー現地レポート

GQ JAPAN 9/30(金) 22:31配信

本日9月30日、パリモーターショー2016(通称パリ・サロン)がフランスで開幕した。メルセデス・ベンツは今回、次世代の電気自動車を中心に出展。なかでも注目は「ジェネレーションEQ」と名付けられたコンセプトカーだ。現地から大谷達也氏が解説する。

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メルセデス・ベンツのプレゼンテーションは、ワールドプレミアとなる新商品の発表もさることながら、それ以上に彼らのコンセプトが明確に打ち出されたことが強く印象に残る内容だった。

冒頭、「今日のメインはE-Mobilityです」と語ったディーター・ツェッチェ社長は、「2010年のパリ・サロンではフランス人権宣言のLiberte, Egalite, Fraternite(自由、平等、博愛)をもじってLiberte, Egalite, E-Mobilite(自由、平等、E-Mobility)と申し上げましたが、この考えはいまもまったく変わっていません」と言明した。

続いてワールドプレミアとなるスマートEVを発表。しかも、フォーツー カブリオレ エレクトリックドライブ、フォーツー エレクトリックドライブ、フォーフォー エレクトリックドライブと一挙に3台も紹介したのである。

その特徴は航続距離が最大で160kmになり、充電時間が50%短縮されて45分間でフルチャージできることと発表されたが、先代の資料を改めて見直すと、航続距離は140km以上、充電時間はオプションの“急速充電機能”を用いると1時間以下と説明されているので、やや整合性が欠けるような気がしなくもなかった。

もっとも、ツェッチェ社長のプレゼンテーションは、ここから次第にコンセプチュアルな内容に変わっていく。

ここで紹介されたのがC、A、S、Eの4文字。これは、コネクテッド、オートノマス=自動運転、シェアリング、エレクトリック=電動化の頭文字で、ツェッチェ社長はひとつの単語としてCASE=ケースと発音した。そして、これらの要素をすべて満たす新ブランド「EQ」を立ち上げると発表したのである。

その第1弾として紹介されたのが、ジェネレーションEQと名付けられたコンセプトカーである。SUVのGLCを思わせるこのクルマは300kwの電気モーターで4輪を駆動。5秒を切る0-100km/h加速を実現するとともに、最長500kmの航続距離を達成するという。

さらに、地図サービス会社のHEREと協力して開発した3Dリアルタイム・マップ・ディスプレイを搭載したり、次世代のドライバーアシスタンスを取り入れたりと、コネクテッドや自動運転の分野でも意欲的な姿勢を見せるほか、フロントグリルなどにブルーの照明を採用することで新時代の環境モデルであることを視覚的にも打ち1出した。

ジェネレーションEQで紹介されたひとつひとつのテクノロジーはライバルメーカーも同じように取り組んでいるもので、格段の目新しさがあるわけではない。ただし、次々と新しい技術やサービスが登場し、ややもすると次世代のクルマ像が見えにくくなっているなか、CASEというわかりやすい言葉で今後の自動車が向かうべき方向性を明確にした点はさすがというべきだろう。

メルセデス・ベンツは2020年までにプレミアムブランドでトップに立つことを目標として掲げているが、プレゼンテーションの最後にツェッチェ社長は「私たちはメカニカルなものとバイオロジカルなものを両立するバランスのいい会社になる」と語り、単なる物質主義に陥らない考え方を打ち出したことも印象的だった。

文・大谷達也

最終更新:9/30(金) 22:31

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