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若者たちにとってリアルセックスとバーチャルセックス、どちらが魅力的?

ダ・ヴィンチニュース 9/30(金) 11:00配信

 やや古いデータですが、2006年に英国のコンドームメーカー・デュレックスが発表した「世界各国のセックス頻度と性生活の満足度」によると、日本は頻度、満足度ともに26カ国・地域のうちダントツの最下位でした。日本人のセックス平均回数は48回/1年。月に4回、週に1回のペースでセックスしているようです。

 「意外としているじゃん」と思われた方もいるでしょう。夫婦や恋人でベッドインができるなんて、ゆっくり時間のとれる週末ぐらいだよね~、と。対してトップのギリシャの平均回数は164回/年。日本の約3.5倍で、2~3日に1度はしている計算です。

 さて、この2006年は奇しくも「草食男子」という語がメディアに登場した年でもあります。こう言うと“死ぬまでセックス”を標榜するオジサンたちは、「恋愛やセックスに消極的な若いモンが増えたからだ、情けない!」とおっしゃるかもしれません。

セックスする時間がない日本人

 しかし最近では、長時間労働がセックスレスに拍車をかけている、と指摘されはじめています。あらゆる調査でセックスをしない理由の上位に「疲れている」が上がることからも、恋人や夫婦がゆったりとした時間を過ごし、十分にコミュニケーションを取れる環境が整わないかぎり、日本人のセックス回数は増えないと思われます。

 筆者は今年、ギリシャに数週間滞在し現地のファミリーと交流しましたが、家族や恋人と過ごす時間を何より重視するライフスタイルを目の当たりにし「だからこその、年間164回」と腑に落ちました。

 モーレツ社員だの24時間戦えますかだの、長きにわたって長時間労働や全人格労働を善しとした時代のツケとして、いまの若者はセックスへの意欲を失っているといえます。おまけに経済状況とセックスの頻度にも相関性がありますから、若者の貧困、女性の貧困が問題視されるなかでセックスしたくなくなるのは、むしろ当然。若者が自分勝手に恋愛、セックスしなくなったわけではないのです。

「いやいや、俺たちはどんなに忙しくてもセックスしたぞ!」とオジサンたちは息巻くでしょうか。セックスが何よりも魅力的だった時代には、多忙の合間を縫い、無理をしてでもセックスに勤しむ人が大勢いたことでしょう。が、そんな時代は遠くなりにけり、です。

世界中で若者が「セックス離れ」

若者のセックス離れは何も日本だけの現象ではないようで、Forbesの記事によると米国でも、

「1980~1990年代生まれの若者が、その前の世代よりもセックスのパートナーの数が少ないことやセックスに消極的だという結果が判明した。20~24歳の女性の15%は成人以降セックスしておらず、その数字は1990年代初めよりも6%高い」
「コミュニケーションは、アンチセックスに向かっている。セックスに必要な時間を惜しんで、電子デバイスを見ている」

 という状態だそうです。性経験のない未婚者の割合が男性42%、女性44.2%という日本と比べると、まだまだお盛んなようにも見えますが。

 日本においても先に挙げた理由に加え、同記事で指摘されている「デジタルデバイスの閲覧」がセックスアクティビティ低下の原因のひとつ……というより、これは先進国に共通した現象でしょう。

アダルトVRが世界を席巻する

 音楽や映画、本など旧来からのカルチャーから、SNSやゲームなど最新のコンテンツまで、1台のスマホがあればほぼ無限に楽しめます。性的なことでいうなら、ネットを通して世界中のアダルト動画にアクセスできます。しかも無料で。

 そして、強烈なリーサル・ウェポンが「アダルトVR」です。仮想空間での、ヴァーチャルセックス。筆者は実際にアダルトVRを体験しましたが、その臨場感はこれまでのAVと比べようがありません。女性でも興奮必至の映像体験! これからあっという間に進化し、普及し、フツウのAVでは物足りなくなる人たちが続出することが容易に予想されます。

 これは男性にかぎった話ではなく、いま多くのアダルトジャンルが女性も市場に取り込みたいと考えていますから、女性をターゲットとしたアダルトVRコンテンツが制作されるのも時間の問題でしょう。

 今夏のオリンピックでは、日本選手が負けるとまるでその選手の力不足のようにいわれるシーンを何度も見ましたが、私はそうではなくて「相手選手がそれだけ強かった」と素直に称賛を送るべきだと思います。

するもしないも、その人次第

 セックスについても、同じことがいえます。オジサンたちが憧れ、夢中になっていた時代と比べてセックスの魅力が減ったのではなく、それより刺激が強くて夢中になれるものが増えただけ。寝る間を惜しんでかまけるものはセックスではなく、デジタルデバイスにつながったさまざまな“お愉しみ”へと移り変わったのです。

 プレイステーションVRのような最新ゲームが登場しても、将棋やボードゲームなどアナログなゲームの愛好家は、必ずいます。その人たちはVRゲームの魅力を知ったところで、「でも自分はこっちが好き」「どっちも楽しいから、どっちも好き」と判断するでしょう。セックスは今後ますます「誰もがするもの」ではなく「個人の嗜好によって選ばれるもの」になっていくに違いありません。

文=citrus三浦ゆえ

最終更新:9/30(金) 11:00

ダ・ヴィンチニュース

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